お久しぶりです。 何とか生きております。 これだけでは何なので、職場に来た迷惑メールを紹介しておきます。 朝から嬉しくて転送してしまいました♪ -------------- -----Original Message----- From: misaki★ [mailto:×××@yahoo.co.jp] Sent: Thursday, September 13, 2012 7:55 AM To: (削除) Subject: 少しの間だけお願いします...
一人暮らしにあこがれて家を出たけどそう上手くいかないよね... 何も考えずに飛び出したから今は家なき子なの… 友達のところも行き過ぎて断られるし... とりあえず少しの間だけ泊めてくれませんか!?(以下怪しいURL等省略)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
「俺は大歓迎だぜ。せっかく来てくれたんだし」 メールは入れたとはいえ、予告なしの訪問にも関わらず、本当に嬉しそうに笑う若林に、岬もついつられて微笑む。 わざわざ隣の国にいる若林のところに来なくても、もっと近い友人がいない訳でもないし、泊めてくれるよう頼んでも、気を悪くしたりはしまい。それでも、何故か若林にメールを送ってしまったのか、岬は自分でも不思議に思う。 「ありがとう。ごめんね」 目の前で手を合わせる仕種の岬に、若林は岬の頭に手を伸ばした。 「気にするなよ。な?それより駅前で買って来たパン食おうぜ」 「うん」 頭を撫でる大きな手の温もりに、気を遣わせまいとする若林の気遣いが詰まっているように感じて、岬は努めて明るく返事をした。
コーヒーの香りが部屋に満ちる。メールを打った時からは考えられない程、岬の気分は静まっていた。父親のことは捨てられない。だが、時々辛くなる。 「岬」 「ん?何?」 「どっちがうまかった?」 買ったパンを半分ずつにした。若林は2つずつ買えば良いと言ったが、喉を通るか案じた岬の意見で、半分ずつになった。 「・・・こっちかな。どっちもおいしかったけど」 味がしたと言えば嘘になる。付け加えた岬の顔を、若林はちらりと見てから、窓の外に視線を振る。 「降って来たみたいだな」 「あっ!・・・」 窓の外に舞いはじめた白い影に、とっさに声を上げ、岬はそれから慌てて口を押さえた。家出している以上、何も気にする必要はないのだ。 「洗濯でも干してきたのか?」 「ううん。でも・・・父さん暖かくしてるかなって」 窓の向こう側に向けられた眼差しは、ずっと遠くを見ている。 「気になるなら見て来いよ。俺の家に来るのはそれからで良いからな」 手慣れた様子で2杯目のコーヒーが注がれる。その指先を眺め、温かい音を聞く内に、岬は立ち上がった。 「・・・ありがとう。ごめんね」
「ごめんね」 玄関先でもう一度頭を下げた岬に、若林はゆっくりと手を乗せる。 「お前の家、お前がいないとまわらないもんな」 顔を見たら、引き止めてしまいたくなる。見ないで済むように頭を撫でて、自分の表情も隠す。 「また・・・来いよ。いつでも大歓迎だから」 先に手を伸ばしたのはどちらか分からない。抱き合った腕を離したのも。 「じゃあ・・・ね」 「ああ」 胸に、頬に余韻が残る。腕の中移された熱が留まっている。いよいよ雪の降り始めた帰り道さえ、寒いとは思わなかった。またすぐにこの道を辿るのだろうと岬は思った。
(おわり)
久しぶりです。 書いてみたものの、3回位直してこのていたらく・・。すみません。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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