※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 4
目が覚めた時、自分がどこにいるのか分からなかった。それよりも、身体が痛い。俺は身を起こして、痛い身体に触れた。シャツは食い込んでいるし、ズボンは小さい。 とりあえず手探りで何とか脱ぎ捨てて、暖かい布団に潜り込んだ。
「若林くんっ」 岬の声がする。そう言えば岬の家に泊まったんだった・・・と目を開けると、岬が隣で微笑んでいた。 「若林くん・・・元に戻ったんだね」 岬の言葉に、そう言えば・・・と昨日のことを思い出した。二人で同衾しても広かった布団は窮屈で、岬は困った顔に見える。 「そのようだな。・・・心配かけた」 ううん、と首を振り、岬は少し赤くなった顔で囁く。 「とりあえず、服着たら?」 枕元には、俺が脱ぎ散らしたらしい服が置かれていて、夢ではなかったことが分かる。 「岬・・・」 腕を伸ばして、岬を抱き寄せる。着替えるよりも、岬を抱きしめることの方が先だった。 「・・・若林くん」 岬の髪の香りも、肌の匂いも、濡れたような瞳もそのままなのに、俺が違っている。 「キスして良いか?」 「・・・うん」 昨日とは真逆の様子で岬は頷く。恥じらいながら答える岬が可愛くて仕方ない。 岬の背に手をまわし、何度も何度も口づけた。この背中が昨日は大きく思えた。こんなに簡単に抱きすくめてしまえるのに。
「もう、パイカルを買って来ようかと思った・・・」 岬によると、かなり有名なマンガで体が子供になる話があるらしい。アニメを見ない岬が知らないと言ったら、来生がコミックを貸してくれたとか。来生がマンガ好きで貸したがるのは相変わらずらしい。 そんな冗談が言える位岬も安心したらしい、と岬の肩に手をまわす。 「そろそろ起きよう?朝ごはん作るから」 岬に促され、まわしていた手を仕方なく引っ込めた。それでも名残惜しい気がして、台所に立った岬を後ろから抱く。 「どうしたの?」 「何か寂しくてな。これから練習だろ?」 今日は土曜だから、学校は休みでもサッカー部の練習があると聞いていた。 「・・・今日は行かない」 岬は背中から回した俺の手を、胸の前で抱えた。昨日程ではないが、しがみつく力の強さに、笑っている岬がまだ不安なのだと痛感する。 「そうだな。本当に大丈夫か不安だし、一緒にいてくれよ」 岬の指先に力が入る。そのくせ、腕の中の岬は少し安堵したように思える。俺の腕に首を倒し、岬は身を預けた。 「若林くんは大きくても甘えん坊だね」 岬の口調は優しくて、俺は岬の頭に顔を寄せる。 「岬にだけだぞ」 「知ってる」 お互い甘え下手だと思う。そのくせ甘えられると嬉しい。この際だから、存分に甘えさせてもらうことにした。抱きしめられながら、優しく答える岬に、今日一日どう甘やかしてやろうか考えずにはいられなかった。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 とんでもなく眠いので今日は寝ます。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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