※二次創作です。女性向け表現を含みます。ご注意下さい。 旧・拍手文です。 「勇者の憂鬱 第一話」
勇者ツバサは、孤独であった。
生来明るかった彼は見る影もなく、孤独で憂鬱な表情がまだ幼さを残した顔にくっきりと刻まれていた。原因は彼の、最も頼りになる仲間達。
ナンカツ村から出発する時、ツバサは戦士と賢者をスカウトしてきた。二人とも同じ村にいたのが不思議なほど、レベルが高く、冒険は順調そのものであった。ところが。 「ミサキ、さっき火傷したところ、大丈夫か?」 「うん。ワカバヤシくんこそ、すりむいたところは平気?」 「ああ。さっきミサキが手当てしてくれたから、もう治ったぜ」 逞しい戦士と美しい賢者は、独り者には目の毒な恋人同士だった。 元々気にはなっていたようだが、ツバサの引き合わせで再会して以来、お互いのことしか目に入らないらしい。 強力な仲間がいない、なかなか仲間になってくれない、という世間一般の勇者の悩みとは無縁だが、ツバサの悩みは根が深い。
「いつか、もっと良い仲間を見つけて別れてやる!」 「ツバサくんなら、自分のレベルを上げる方が早そうだよね」 「世の中には俺たちみたいに良い仲間はそういないぞ。そんなことより、ミサキ」 「あ、もう駄目だよ、ワカバヤシくん。ツバサくんがいるじゃない」 仲間達の雑音は無視して、毎日、懲りもせず、叫ぶツバサであった。
頑張れ、ツバサ。世界を救うのは君だ。
(つづく)
たぶん、世界中探してもこれ以上の味方がいない、というのがミソ。
続き (2)
from past log<2008.12.4>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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