※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 4
「な、何!?」 横抱きにした俺の腕の中で、顔を赤くした岬が身じろぎする。 「分かったって、お前信じてないだろ?だから、医者の言う通り普段通りにしてやる」 普段通り、の言葉の意味が分かったのか、寝室のベッドが見えたせいか、岬は身体を固くした。 「あ、あの・・・」 何か言いたげに開かれた唇に、そっと口付けた。岬は一瞬目を見開き、それから静かに目を閉じた。
ベッドに寝かせた岬は、不安を隠し切れない顔で、俺を見つめる。その身体を這い上がるようにベッドに埋めて、もう一度、より深く唇を奪う。口腔の中を蠢く舌に、岬が眉根を寄せるが、逃がす気などない。やっと捕まえたんだから。背中に回した腕で、強く抱き寄せる。微かに震えているのも気づかないふりをする。
あいつは逃げ出したのに、戻って来たお前が悪い。俺を信じたお前が悪い。
心の中で言い訳しながらも、本当は岬が欲しいだけだと分かっている。いま、お前を抱いたら、恋人という口実でお前を引き留められる。
「若林くん、泣いているの?」 不意に頬に手をやられた。岬は、俺の頬に手を当てて、目まで辿ってみせた。自分では、気づかなかったが、岬の首筋を濡らしていたようだ。 「岬が無事で嬉しいんだ」 岬は俺を見上げ、それから微笑んだ。 「若林くん・・・」 まだ震える手が俺の背中にまわされた。男に抱かれるなど、岬にとっては、今の状態じゃなくても初めてだろう。怖くない訳がない。それでも、俺を気遣ってくれる優しさに、また想いが募る。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 同時並行で書いているギャグばかりが進みます。・・・そうじゃないんだ。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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