fc2ブログ
今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
記憶(2)
※女性向け二次創作です。しかもーコテコテな展開があります。苦手な方はご注意下さい。



 俺の家に着いた岬は、不思議そうに周囲を見渡した。
「・・・見覚えないんだな」
俺の問いかけに、岬は心細そうな表情で頷く。事情が事情だけに、ただでさえ華奢な岬は、更に小さく見えた。一昨日も同じように荷物を持ち、同じ服装で見回していたが、その時と違っているのは、不安そうな岬と手を繋いでいることだ。病院を出る時に、俺のパーカーの裾を掴んでいた手を掴まえた。岬は驚いた表情を浮かべたものの、そのまま掴まれるままになっている。
「とりあえず、お前の家の連絡先が分かるまで、ここにいろよ」
岬は、昨日俺が何度頼んでも、頑なに連絡先を教えなかった。もし、言ってくれていたとしても、親父さんはスケッチ旅行に出ているとも聞いていた。おそらく役には立たない。
「・・・あの、若林くん?」
岬は考え込んでいた俺を見上げて、不安そうな様子を見せる。ひとまず岬をソファーに座らせて、隣に腰をかける。
「何だ?」
「僕、ここに来ても良かったの?」
落ち着かない様子で、手をもじもじ動かしている。見たことのない動作だった。俺が一人暮らしであることは話してあった。だから、親父さんと連絡が取れるまでは、ここにいても良いことも説明した。だが、岬はまだ納得いかなかったらしい。
 俺は、居間の奥の飾り棚に岬を導いた。
「覚えはないだろうが・・・」
南葛SCの写真は、思い出の帽子と一緒に一番目立つところに飾っていた。岬は写真と俺、写真と鏡の中の自分を見比べた。
「友達、なのは分かったけど・・・でも、やっぱりお世話になるのは・・・」
岬はそういう性格だ。いつだって助けてやりたくても、自分で何とかしようとする。人の助けを借りるのをよしとしない。だが、今はそういう場合ではない。
「見ろよ」
帰り道に受け取ったばかりの写真は、一昨日撮ったものだ。岬と並んだ写真の次は、肩を組んだ写真。岬は恥ずかしがったが、どうしても接近したくて、無理矢理肩を抱いた。岬は困っていると言いながらも、楽しそうに写っている。
「これ・・・僕と君?」
岬が写真を手に取り、繰り始めたところで、声をかけた。
「俺達は恋人だったんだ」

(つづく)

ちょっと忙しいです。休みになったら更新♪と思っていたら、7連勤で挙句に仕事関係で外出。これは休みなしというのでは。頭の中には妄想が詰まっているのに、取り出す余裕がない。でも、少しですが、更新しておきます。

以下、拍手お礼、
くるみさん、はじめまして。拍手&応援ありがとうございます。
こっそり復帰したのですが、更新遅くてすみません。
嬉しいお言葉をありがとうございます。
幸せな気分になれるようなお話、達成できていませんが、目指しているものの一つです。頑張って書きたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
スポンサーサイト



テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
→http://sukinamono11.blog63.fc2.com/tb.php/936-151bb11f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)