※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
お題をノラ様の確かに恋だったさまよりお借りしたテーマ短編「切ない恋」 何度繰り返しても、別れ際だけは慣れない。小学生時代とは違い、ちゃんと見送ってくれる若林くんの顔を見る度に、いつも泣きそうになる。
「もう帰るのかよ」 「僕も用事があるからね」 話しながらも荷造りの手は止めない。用意なんか本当は終わっているけど、後ろを振り向くのが怖かった。
そんなことを言いながらも、若林くんは駅まで送りに来てくれた。 「シャルルの拾った子犬がね・・・」 駅まで別な話をした。たいしたことのない話を、ダラダラと続けた。
「岬」 話が途切れたらどうなるか、分かっていた。男らしい、響く声がゆっくりと僕の名前を呼んだ。 「なあに?」 笑って顔を上げるだけの余裕はあった。微笑んで若林くんを見上げた途端、あごに手を当てられて、持ち上げられた。 「泣けよ」 若林くんはそう言うけれど、一度堰を切ったら、元に戻れなくなる。その代わりにもう一度微笑む。精一杯笑って、見送られてみせる。 「大丈夫」 笑ってみせる顔の奥で、流れないなみだが、凍りついている。そして、胸に突き刺さるのを感じていた。 「笑うな」 若林くんは唸るような声で言った。 「その顔で笑われても、泣いているようにしか思えないぞ」 微笑んでいるつもりでも、不思議と若林くんには、見抜かれた。普段よりはずっと低い声なのに、いつもと変わらず優しく聞こえるのは何故だろう。
「若林く・・ん」 どう言って良いか分からず、胸が詰まる。その代わりに、胸に刺さったはずの涙が、解けてぽろぽろ零れる。 「帰るな」 そのまま腕に封じ込まれる。背中に回された腕が、止まらない嗚咽に拍車をかける。 「側にいてくれ」 胸を通して、若林くんの声が響く。抗うこともできずに、そのまま首を振った。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 年末年始、実家に帰ったのですが、気がつくと駅伝と時代劇ばかり見ていたような。今年は箱根流行りですが、箱根に熱中したのは数年前なので、その頃の選手は既に実業団所属。ですので、ニューイヤー駅伝を楽しみにしていたのですが、昔好きだった選手が振るわなかったのは残念でした。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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