※二次創作です。苦手な方はご注意下さい。
最終話です。 「岬」 次の日の昼休み、食堂で岬の隣に座った。岬は顔を上げて、自分のトレーを少し動かして、座りやすくしてくれた。 「松山。今日のおかず、えびフライだよ。好きだったよね?」 四年も前に話した好物を覚えていてくれたらしい。やっぱり岬は優しい奴だ。嬉しい反面、少し残念に思いながら、俺はこっそり耳打ちした。 「若林の隣行かなくて良いのか?」 若林は、いつも通り一人で食事をとっている。若林の隣はいつも空いているので、時々三杉が資料を見ながら食事をしたりしている。不気味な光景やったで、と早田が評していたくらいだ。 「松山、急にどうしたの?」 冷静を装いながら、岬の目には、昨日のことかな・・・と迷うような表情が見えている。 「昨日、送ってもらったんだろ?色々ごめんな。お前の友達がいやな奴のはずないもんな」 「うん。ありがとう松山。でもみんなには黙っていてね」 俺は深く頷く。二人が北風と太陽でなしとげようとしていること、は何とかなく分かった。その志を思えば、そっと応援したい。周囲を欺いている二人は辛いだろうし、元々仲が良いのに、合宿所ではおくびにも出さないのも大変だろう。 今ならば、岬が800kmを越えて若林に会いに行った、というのもよく分かる。昨日の会話からは二人の深い信頼関係が伺えた。ここまで追いかけなければ、分からなかったこと。俺は日本からパリまで。岬はパリからハンブルグへ。何を見つけに行ったんだろう。 そして、ちょっとうらやましいような気がした。今、隣にいる俺よりも、岬と多くを共有している若林。食事の終わった若林が、立ち上がりざまにこっちを見た。こそこそ内緒話をしている俺にきつい視線を送って、それから動いた。 「本当に仲良いんだな」 俺はしみじみ呟いた。門限には間に合ったものの、昨日若林は相当遅く帰って来た。帰ってきた時には元のしかめっ面だったことも付け加えておく。昨日の笑顔とは雲泥の差で、きっと岬の側で一番ほっとしていたのは若林だったに違いない。 「うん。これ、口止め料ね」 俺の皿にえびフライを載せた岬の頬は何故かばら色に染まっていた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 何か、昨日の夜からメンテナンスだったみたいですが、 事前に連絡等もなかったので、故障だったのかな? もしその間に来てくださった方がいらっしゃったら、すみません。
今日の話は以前、イントロさまの今井様が 「Jrユース編で、若林くんと岬くんの絡みがなさすぎて妄想のしがいがある」 というようなことを書いていらっしゃいましたが、 私もそう思っておりました。 若林くんが事前に何も言ってなければ、絶対岬くんにたしなめられているはず。 誰にも分からない二人のつながり、を描きたかったんですが・・・ 松山くんから見る岬くんが癒し系だとしか分からない結果に。 今日の分は蛇足だったかも。次はもっと甘くしたいですが・・・。 あと、この話は「よくある風景」よりも前、です。
明日からは何にしようか考え中。 書きたいものはあるのですが、時間の都合はつかないし、頭はまわらないし。 萌えさえあれば、オート加速なんですけど。
何かリクエスト等あれば寄せて下さると助かります。 (助かりますが、リクエストとご期待に完全に沿う力量はありません)→現在は募集しておりません。
from past log<2008.11.27>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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