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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
冬の雨(下)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。


 若林くんの家まで走った。止まると寒さがいっそう意識される。
「風呂、先に入れ」
当然のように若林くんは言うけれど、若林くんの方がずぶ濡れで、見ていられなかった。
「一緒に入ろう」
「はぁっ?」
今度は若林くんが驚く番だった。大声で聞き返されて、僕は若林くんの手を引っ張る。
「お風呂、早く浸からないと風邪・・・くしゅん」
タイミングの良すぎるくしゃみは説得力抜群で、若林くんは僕に従った。

「良かったのか、岬?」
ケンカ(?)の後に一緒に風呂に入るのもおかしなものだが、一緒に湯舟に浸かった。人心地ついてから、そんなことを言われた。
「誕生日の人に風邪引かすのはどうかと思って」
凍えた芯が融けていき、少し落ち着いた。仕方ないこととはいえ、我ながら大胆だった。
「ありがとな」
お礼を言われて、改めて今の状況を振り返る。

 茹だりそう。

 顔が赤くなっていくのを感じる。顔を洗い、目を閉じる。
 色々思うことはある。でも、若林くんが風邪を引く位なら、恥ずかしい思いをした方がマシで、こうしてお風呂に入っていても、くつろげる位気を許している。

「岬、顔赤いぞ」
「っもう、こっち見ないでよ!」
そう言って背は向けるものの、苦笑して背を向ける若林くんにもたれる位の気持ちはあって。
「もう少し、待たせるけど・・・君のこと好きだからね」
どんどん声が小さくなっていく僕に、若林くんが肩を揺らして笑う。

「せめて後半には入っていて欲しいんだがな」
ひとしきり笑ってから、そう呟くのがしゃくだから、後はラフプレーによるロスタイムだけだ、と白状するのはやめておいた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
冬の雨があまり冷たいので、書いてみました。源岬のお約束通りのお話、好きなのですが、やっぱり自分で書くのは苦手です。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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