※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 若林くんの家まで走った。止まると寒さがいっそう意識される。 「風呂、先に入れ」 当然のように若林くんは言うけれど、若林くんの方がずぶ濡れで、見ていられなかった。 「一緒に入ろう」 「はぁっ?」 今度は若林くんが驚く番だった。大声で聞き返されて、僕は若林くんの手を引っ張る。 「お風呂、早く浸からないと風邪・・・くしゅん」 タイミングの良すぎるくしゃみは説得力抜群で、若林くんは僕に従った。
「良かったのか、岬?」 ケンカ(?)の後に一緒に風呂に入るのもおかしなものだが、一緒に湯舟に浸かった。人心地ついてから、そんなことを言われた。 「誕生日の人に風邪引かすのはどうかと思って」 凍えた芯が融けていき、少し落ち着いた。仕方ないこととはいえ、我ながら大胆だった。 「ありがとな」 お礼を言われて、改めて今の状況を振り返る。
茹だりそう。
顔が赤くなっていくのを感じる。顔を洗い、目を閉じる。 色々思うことはある。でも、若林くんが風邪を引く位なら、恥ずかしい思いをした方がマシで、こうしてお風呂に入っていても、くつろげる位気を許している。
「岬、顔赤いぞ」 「っもう、こっち見ないでよ!」 そう言って背は向けるものの、苦笑して背を向ける若林くんにもたれる位の気持ちはあって。 「もう少し、待たせるけど・・・君のこと好きだからね」 どんどん声が小さくなっていく僕に、若林くんが肩を揺らして笑う。
「せめて後半には入っていて欲しいんだがな」 ひとしきり笑ってから、そう呟くのがしゃくだから、後はラフプレーによるロスタイムだけだ、と白状するのはやめておいた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 冬の雨があまり冷たいので、書いてみました。源岬のお約束通りのお話、好きなのですが、やっぱり自分で書くのは苦手です。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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