※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 岬と二人の食事は楽しかった。普段悪友達と行く店は避け、旨いと評判の店にした。 岬はにこにこ笑いながらよく食い、俺は更に食った。 「せっかくだから、ビール頼んでも良いか」 「若林くんってお酒飲むんだね」 「お前は飲まないのか?」 「じゃあ、ワインお願い」 楽しい席だったせいか、お互い酒も進んだ。ビールは飲まない岬も、フルーツビールは好みだったらしく、喜んで飲んでいた。
帰り道、ふざけて岬の肩を抱いた。小学生の時に、決勝戦で肩を組んだことはあったがそれ以来で、思ったより細かった。あんなに食うくせに、と思っていると、岬の肘を喰らった。 「重いから、どけてよ」 岬が言う度に、サラサラの髪が鼻腔をくすぐる。何でこんなにいい匂いがするんだ、こいつは。 「ちょっとぐらい良いだろ」 ますますベッタリくっついた。
岬がフランスから遊びに来るようになってしばらく経つ。 俺はこいつに惚れていて、何度も迫ったが、色よい答えはもらえていない。だが、岬は度々遊びに来てくれて、良い関係は続いている。
でも、足りない。
家にたどり着いて、一番にしたのは岬の肩にかけた腕で、岬を抱きしめることだった。 「岬ィ」 「もう、ふざけないでよっ!」 払われそうになった手を、そのまま受け止めた。 「好きだぜ~」 柔らかい手を頬に当て、それからくちづけた。 「ちょっ・・・、若林くん」 引っ込めようとする手をたどり、身体を引き寄せた。腰にまわした手に、岬がびくっと震える。
いつもなら、ここでやめてやるけれど。
「岬、可愛いな~」 そのまま壁に押し付けた岬の首筋に顔を埋めた。舐めあげた肌は真っ赤に火照って、汗ばんでいる。 「若林くん、酔ってるだろ!」 突き放そうとするのを押さえ込む。 「酔ってないぜ?」 酔っていない。生まれつき酒には強いのか、自分を崩すほど酔ったことは今までなかった。 「酔ってるよ!」 腕を掴まれたまま壁との間に挟まれて、岬の細い身体が反る。正気でないふりのまま、俺は岬の肌に触れる。 「や・・・っだ」 ふと顔を上げると、岬は目を赤くしていた。 「酔ってる時にこんなこと・・・」 「酔ってなかったら、良いのか?」 目が合った。もう、酔っていないことはばれた。それでも、岬を泣かせるのは本意ではなかった。 「・・・若林くんのばかっ」 次の瞬間、思わず離してしまった腕で、抱きつかれた。俺の背中にぎゅっと手をまわして、岬は必死にくっついてくる。 「岬、好きだぞ」 「僕は意地悪な若林くんなんかキライッ」 そう言いながらも、胸にしがみついている岬に、それこそ酔いがまわりそうだ。 「優しくしたら、好きになるか?」 岬は微笑みながら顔を上げる。 「それは秘密」 蠱惑的に微笑み、岬は俺の肩に手をかけた。星が煌めいているような、きれいな瞳に見つめられ、壁に手をついた。 「お前こそ意地悪だぞ」 寄せた唇は、そのくせ甘くて、俺は心の中で独りごちた。
次の朝、俺が目を覚ますと、裸のまま半身を起こしている岬と目が合った。 「若林くん、何があったのか、聞いていいかな?」 朝は目が覚めにくいのか、ぼんやりしたまま岬は尋ねる。 「・・・覚えてないのか?」 不思議そうにしている岬に、昨日したことを話す。そして、岬が俺に耳打ちしてきた想い。 「ええ~っ!?」 途端に赤面し、昨日ワインを飲んだ時よりももっと赤くなった岬に、朝一番のキスを捧げた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。
お互いに酔っていたというヒネリのないオチですみません。 ここのところ、イライラしているのか、作風に余裕がないですね。 相変わらず手も痛いし。
以下、拍手お礼:
なお様、いつもありがとうございます。 慎重な岬くんの一歩って価値がありますよね。若林くんが喜んでしまうのも無理はない気がします。 それにしても、″岬くんのアドベントカレンダー″は想像しただけで癒し効果がありそうです。反面、″若林くんのアドベントカレンダー″は想像しただけで恐ろしい・・・。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
お誕生日拍手を見に来て下さった方も、ありがとうございました。一緒にお祝いができて、嬉しかったです。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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