※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 旧拍手文です。 4
裏でそんな会話がなされているとは知らず、岬はナポレオンとボールを争う。しばらく、草サッカーに駆り出されてはいたものの、ナポレオンとボールを交わせば、あの試合のことを思い出さずにはいられない。 「翼くん・・・」 翼は、一段と成長していた。何も背負うことのなかった岬と、一人で若林と岬のいない南葛で戦い続けた翼と。
もう一緒に走れないかも知れない。
そんな不安を抱いているところに、父親が日本に帰ろうと言い出した。
翼くんと、走れるのはこれが最後かも知れない。
そんな気持ちがあったのは事実だった。だが、こうしてナポレオンと応酬をしていると、その考えが間違っていることに気づく。
僕は僕で走らないと。
ドイツに、会いに行った若林は堂々としていた。ワールドJr.ユースでも、今回自分の力を発揮することよりも、チームの意識や力を底上げすることの方が大事だと、冷静に判断を下したのは、若林の人格にもよるところながら、自分の能力への自信や余裕によるところも大きい。
足踏みしている訳にはいかない。
岬は、スライディングでナポレオンからボールを奪った。素早く体を立て直し、ゴールへ向かう。 「おっ、やる気か」 ナポレオンが追うのを、フェイントでかわす。ヒールターンで、素早く切り替えて、横にずれた。 「ちょこまかと・・・」 ナポレオンは体格の割にスピードがある。ただ、その分柔軟性と小回りはきかない。 「君こそ、人のこと嵌めてくれたからね」 「まだ言うか!」 追いかけっこを楽しむように、ボールの奪い合いをする二人に、今やグラウンド中の注目が集まっていた。 「いけ、ナポレオン!雪辱を果たせ」 「ミサキ-!ガンバレ!」 応援の声までかかる。
本格的なテストの前に、結果がほぼ決まっていたことを、二人は知らない。
(つづく)
拍手ありがとうございます。
眠くて、危うく更新間違えるところでした。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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