※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
今日も昨日の続きのような。 xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら 隣で眠る若林くんの顔を見下ろした。薄明かりでも分かる、男らしく整った顔に、漆黒の髪に無造作に投げ出された太い腕。 さっきまで、この腕の中で、この顔を見上げていた。こうして一緒にいるだけで、切なくて心がちぎれそうになるのに、強く抱きしめられて、息もできなくなった。
僕をグラウンドから連れ去った若林くんは、僕の家に着いてすぐに、キスをしてきた。待ちきれなかったと言わんばかりの勢いで、閉めたドアに押し付けられる。 「だめ・・・だよ」 僕がもたれたドアに手をかける若林くんの勢いで、ドアがガタガタ鳴る。若林くんが、腕を立てた僕を見た。
怒ってなかったと言えば嘘になる。 それなのに、嬉しい気持ちが僕をぐらつかせる。
「部屋行こう」
若林くんに異存がある訳もなく、制服をハンガーにかけて、お風呂に入るところまでは自由にできた。そして自由はそこまでだった。
「そんな顔、誰にも見せるなよ」 耳元の囁きはぞっとする程低い声で、心を射抜かれてしまう。 「・・・見せる訳ない」 苦しくて甘くて辛くて気持ち良くて、涙でぐちゃぐちゃになった顔は、若林くんに見られるだけでも恥ずかしいのに、他の誰にも見せる訳がない。 「絶対だぞ」 繋がったまま責められて、吐息が漏れる。 「じゃあ、離さないで」 僕の肩を掴んでいた手に指を絡めた。若林くんは荒い息のまま、僕を抱きしめる。 「そんな可愛いこと言って、離してもらえると思うなよ」 嬉しくて言葉にならない。愛を刻まれる苦しさに、微笑んだはずの顔に涙が伝った。
動くのも辛いので、若林くんが晩御飯の支度を手伝ってくれた。久しぶりの一緒の食事に、会話も弾んだ。隣で眠るのも久しぶりで、落ち着かない。 何度か盗み見てから、結局身を起こした。旅の疲れか、よく眠っている若林くんの髪を撫でたい気持ちを封印する。 足も気持ちも重いけれど、明日は若林くんとサッカー部に行くつもりだ。だって、みんな若林くんに会いたいだろうし、若林くんもみんなに会いたいに違いない。
だけど、今夜は僕だけのもの。 若林くんを起こさないように注意しながら、僕は若林くんの頬にキスをした。
「何だ、唇じゃないのか」 不意に抱きしめられて、息が止まる。そのまま瞬く間に体勢を逆転されて、また若林くんを見上げる形になる。 「起きてたの?」 起こした、とは思わなかった。若林くんの反応はそれほど早かった。 「ああ。何となく眠れなくてな。岬は?」 「僕も。若林くん、すぐに帰っちゃうんだな、と思って」 言葉にすると、急に切なくなった。その気持ちが沁みてしまわない内に、明るく言葉を重ねる。 「若林くんの顔を見てた」 「男前だろ」 薄闇の中、若林くんが笑う。 「自分で言うなって・・・」 言いかけた唇が塞がれる。あまり触れられると、泣きそうになっていたことに気づかれそうで怖い。 「いつでも、来る。また来るから」 目を閉じているのに、若林くんが笑っているのが分かった。やっぱりかっこよくて、また切なくなった。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 岬くんの嫉妬、を書こうと思ったのですが、書き切れなかったような。 それよりは、昨日来の若林くん暴走を引きずっていますね。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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