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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
北風と太陽(2)
※二次創作です。登場人物のイメージには偏見と私見が入ります。苦手な方はご注意下さい。
続きです。引き続き、松山くんのモノローグです。

 確かに岬は手紙一つくれたことはない。小学校時代、全国大会の後、手紙をくれ、と言った俺にも首を振った。
「あのね、松山。僕はまたすぐ引っ越しちゃうから、手紙なんか出せないよ」
儚い微笑みを浮かべる岬に、それ以上は言えなかった。いつも辛い思いをしている岬に、それ以上求めるのは酷だと思った。それでも、言わずにはいられなかった。
「岬、じゃあ俺ここで待ってるから。毎年、大会に出て、お前が出てくるのを待ってるから」
岬は晴れた空にも負けない笑顔を返してきた。
「うん。僕も頑張るね」
 
 それから三年。岬は一度も現れなかったが、フランスに渡っていた、と聞いて安心した。サッカーができなくなった、という噂よりはよっぽど良い。と同時に、南葛の連中の言葉が気になってきた。岬は西ドイツの若林に会いに行った、と言っていた。
 若林、という奴を俺はよく知らない。全国大会も決勝戦だけ出場、優勝した事は知っている。二年連続の優勝で、それから西ドイツに渡った、と聞いているが、それ以上は知らない。小学校時代の全国大会で、俺達ふらの小がくっつく形で南葛SCの連中とは一通り話したが、若林だけは別だった。
「それで、翼が機嫌悪ぃんだよな」
石崎がぼやくのを聞いて、何となく若林の立ち位置が分かった。若林は翼ほど岬と仲良くはなかった。それなのに、若林に会いに行った岬に、手紙で吹聴した若林に翼は憤っているらしかった。
「俺は、岬の消息分かっただけで良いと思うけどな」
岬の、あの心細そうな生活を俺は忘れない。それでも、岬は笑顔で暮らしていた。
「うん。岬元気そうだったぜ」
「そうか。また連絡取れるようだったら、よろしく伝えてほしいんだが」
岬がどこかの青空の下で、ボールを追う光景が目に浮かぶ。特別の友達だった。他の友達が、それこそ子供の頃から一緒だったのとは違い、岬はほんの一時一緒だったに過ぎない。それなのに、岬と会わなければ、全国を目指すこともなかった。

(つづく)

けっこう、真面目に書いているつもりです。
松山くんベース、というのが真面目風味の決め手、ですね。
このままちゃんと着地できれば良いな。


拍手お礼:
M☆様、応援ありがとうございます。私も源岬大好きです!
そして、ずっと好きでいたいと思います。その思いのほとばしりがこのブログでは
いたたまれないですが。

たまごぞうすい様、もったいないお言葉をありがとうございます。
早田くんを気に入って頂いて嬉しいです。
私はどちらかというとお笑いが専門なのですが、切ない系ももう少し
頑張ろうという気になりました。暖かい励ましありがとうございました。

拍手のみの方もありがとうございました。
心から感謝しております。
まだまだ方向の定まらない上、すぐにでも消滅しそうなブログですが、
これからもよろしくお願いします。

from past log<2008.11.21>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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