※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 つづきます。
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「責任はとる」 昨夜の事実を再認識させるような言葉に、岬が肩を震わせる。 「それでも許せないか?」 岬は、涙の跡の残る顔で俺を見返す。
嫌われてはいないと思っていた。あんなに抗われるとは思わなかった。俺の腕に残る、深い爪の跡。 途方に暮れて、心にもない言葉を連ねる。 「どうすれば良い?」
俺はただお前が好きなだけだ。
いつものように、試合の録画を見ている内に、岬は俺の隣で眠ってしまった。肩に、暖かい重みがかかる。 柔らかい髪が、ごく近くで香る。 寝息すら甘く聞こえた。
そんな安心したような寝顔を預けられる俺の立場になってみろ。
・・もう・・・駄目だ。
「からかわないで」 眠る岬をベッドに運んだ。逃げられないように抱き締めて、口づけたところで、岬は目を覚ました。そして、色をなして叫ぶ。 「俺は本気だ」 肘を立てて抗う岬の腕を押さえる。二度目のキスは、無理矢理奪った。 細い手首を掴む。体を絡めるようにして、押さえ込んだ。二人分の負荷にベッドが軋む。
大切にしたいはずが、何故こうして泣かせているのか、傷つけているのか。 自問しながらも、弾けた想いは止まらなかった。苦痛に顔を歪めていても、目の前にいるのは、ずっと想ってきた岬で。誰も触れたことのない、真っ白な身体。力を入れたら、折れそうな手首。未だ男に成り切らない細い腰。 「いや・・だ」 俺の家に泊まったり、二人で遊びに行くことも当たり前になっていた。 ニューイヤーにキスをした時も、岬は普通に笑っていたのに。 押さえたままの岬の手には、跡がついた。
「別に何もしてほしくない」 岬は冷たく言い払い、布団に潜ってしまった。
「ここ、水置いておくから」 サイドテーブルに水を置いて、部屋を出た。
岬はずっと泣いていた。
(つづく)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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