※二次創作です。女性向け表現を含みます。苦手な方はご注意下さい。
昨日の続きです。明日最終回。 4.廊下 廊下は殺気立っていた。 「若林、今朝みんなで話してたんやけど、すごい美少年とすごいブスとやるならどっちやと思う?」 普段なら絶対に話しかけたりしないくせに、しかも内容は誘導尋問。若林は早田に呆れ顔を向ける。 「うるさい、黙れ」 若林の渋面にも動じることなく、早田は食い下がる。翼と松山の二人が口にした岬。その岬の相手が若林なら面白い。純粋に好奇心のみにつき動かされている早田である。 「なあ、知ってるか?松山と翼も岬狙ってんねんで。気ぃつけや」 「何だと?早田もう一度言ってみろ」 即座に臨戦態勢の若林に、場数を踏んでいる早田も一瞬怯む。 どうやら、地雷を踏んだらしい。相手の方が体格も腕力もある。喧嘩慣れしているらしく、さっきのパンチも相当のものだった。 「あれ、二人とも顔腫らしてどうしたの?」 その時、ちょうど通りかかったのは岬だった。自宅が近く、家の事情もあって、岬は自宅からこの合宿所に通って来ていた。こうして若林と殴り合った後だと、余計に可愛いわ、とじろじろ見る早田の内心も知らず、岬はにっこり微笑む。 「・・・朝からシュート練習でもしたの?」 「そやねん。かみそりシュートって、違うわ」 基本に忠実に、シャドウシュートまで見せてくれた早田のノリツッコミに、岬は愉快そうだが、若林の機嫌は反比例的に悪くなる。 早田は、何を言った?岬の登場で忘れてしまいそうな言葉を思い出す。翼と松山が、岬を狙ってるだと? 心当たりは十分にあった。岬に構うこともできない自分に対し、べたべたと終始くっついている二人。 ふと気づくと、岬が心配そうに顔を覗き込んでいた。早田の好奇心にあふれた目つきも気になるし、早くここから離れないと。若林は平静を装って、岬から目をそらせた。 「何でもないぞ。それより、どうしたんだ、こんな早く?」 練習開始にはまだ少し時間がある。 「翼くんと松山がミーティングあるから早く来いって」 「何だとぉ!」 頭の中で、早田の言葉が自動再生される。若林はいきり立ち、岬の腕をとるやいなや、歩き出した。 「ちょっ、若林くん、どうしたの?」 若林に引きずられていく小柄な岬の後姿に、早田は黙って手を合わせた。
(つづく)
明日で、この話も終わり。その次も合宿話です。
拍手お礼: 早田くんにメッセージを下さった方、ありがとうございます。 調子にのって、今日はノリツッコミまでさせてしまいました。 「なめこおろし」は思いつきませんでした。 他のおかずのついで、で豆腐か玉ねぎのつもりでしたので。 でも、「愛のある食卓」なのは間違いありません。 一緒に長生きも、体調管理も大事ですが、 若林くんのウェイト管理は岬くんの命に関わる気がします。
拍手のみの方もありがとうございました。
from past log<2008.11.18>
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|