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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
家出(5)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。



「お前、何したんだ?」
明らかに弱った様子に、少しは話を聞いてやろうという気になった。岬は口を割らなかったが、片方の話しか聞かないのは俺の主義に反する。
「・・・浮気したと思われてるらしい」
ぽつり、と若林は呟いた。
「したのか?」
「まさか!宴会の余興で寄ったスティーブに口紅つけられただけだ」
すごい勢いで反駁された。相変わらずの反射神経だが、こんなところで発揮しなくても。
 だが、若林が心底岬に参っているのは、誰もが知っていることだ。岬自身を含めて。
「それ言ったのか?」
「説明した。岬は気にした様子もなかったのに、起きたらいなかったんだ!」
まくし立てる若林に、そこまでは本当だと想像がついた。岬が普通の様子だったのも確かだろう。なら、何故岬は家を出た?あんな焦燥した顔で。
「あれ、まだ戦ってなかったんすかあ?」
呑気な声で入って来た新田を、小突いて座らせる。コーヒーの缶を渡すと、若林はにこやかに受け取った。
「おう、ありがとうな」
若林はそうにこやかな方ではないが、時々人の気持ちを逸らさないような笑顔を見せる。身内には慕われている所以だろう。
「あ、どうも」
若林の反応は予想外だったらしく、新田は少し落ち着かない表情で会釈した。
「それで、岬の様子はどうだった?」
「ひどい顔色でしたよ」
軽く答えてから、新田の顔色もひどくなっていった。新田は俺を見て、それからすがるように若林を見上げた。だが、頼みの綱の若林は、人懐っこい笑顔も消して、俺を見返した。
「突き300回。行って来い」
「はいっ!!」
素直過ぎる返事を残し、新田は道場に走り去った。その背中を見送り、若林が口を開いた。
「もう少しちゃんと鍛えろよ」
「あ、ああ」
こうなったら、腕づくか?道着の袖をめくった俺に、若林はドアに視線を移した。
「岬はそんなに顔色が悪かったのか?」

(つづく)


拍手ありがとうございます。
まだ続きます。

以下、拍手お礼:
まひまひ様、いつもありがとうございます。
そうやって岬くんの所在がばれてしまうのでした(笑)。

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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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