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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
天使な小悪魔(4)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
今日でおわり。あっさりですみません。




 岬は、物憂げに寝返りを打ち、俺を振り返った。
「幻滅したか?」
傷など毛ほどもつけないように、慎重に扱うつもりだった。それが、岬の発する甘い声や息遣いに誘われるように、気づいたら、夢中になっていた。岬が抱きしめる俺の腕に指の跡をつけたのも気づかなかったほどだ。
 悲鳴と嬌声の混じったような声で岬は鳴いた。成熟し切らぬ体で、俺の欲望を受け止めて、辛くなかったはずはない。だが、岬は大丈夫、と言い、涙を浮かべたまま微笑んだ。
 たまらなくなって、強く抱いた。透明の涙が、苦しそうに歪められた顔に散る。細い肩が荒い息の度に揺れた。
「ううん。それより、僕変な顔してた?」
不思議な質問だ。間髪入れずに聞き返す。
「まさか」
苦しいのか切ないのか、俺を受け入れた岬の表現は凄絶に尽きた。
「だって、あまりじっと見るから・・・」
「そんなの、可愛いからに決まってるだろ?」
「ほんと?」
岬が俺を見上げた。その間に、右腕を差し出す。岬は甘えるように、擦り寄って来た。寝癖もつかないサラサラの髪が揺れて、腕をくすぐる。
「きれいだった」
やっぱり誰にも見せたくはないと思った。百万ドルの微笑みと言われる岬の営業用の笑顔だが、とても比べものにはならない。
「ありがとう。嬉しい」
腕を枕にした岬は、俺の左手を掴んで自分の頬に導いた。色白できめの細かい頬は、今は桜色に染まっていた。
「なあ、岬」
柔らかい頬を撫でる。形の良い花びらみたいな唇を指先でつつく。そんな他愛のないことさえ楽しい。
「写真集断れよ」
俺の腕にじゃれついていた岬が目を上げる。
「・・・マネージャーの言うことじゃないんだが・・・」
入って来る利益、話題作り、マネージャーとしての俺は、その損失を予測できた。だが、人に見せたくはなかった。
「どうして?」
岬はタオルケットを巻き付けたまま、身体を起こした。少しはだけて、白い肌がのぞく。
「・・・馬鹿げた話だが、他の奴に見せたくない」
やや疲れた、元気のない様子も、妙になまめかしいまま、岬は俺を見つめた。
「・・・もしかして、僕のこと好きになってくれたの?」
大きな目が、少しゆらめいて見えた。この潤んだ瞳に見つめられて、おちない奴がいるんだろうか?
「そんなの、初めて会った時からだ」
あっさり白状した俺に、岬は可愛く微笑んで、俺の腕にまた頭を預けた。

 岬の写真集は、結局いつもの路線で制作された。王子様風衣装や、素材感を大事にしたナチュラル系の服装、可愛らしい路線のパーカーにジーンズ。色々なコンセプトの衣装に身を包みながらも、今まで押さえていた色気が、ゆっくりと綻んでいく。何気なく放たれた流し目一つさえ、見慣れた俺ですら、つい目を奪われた。
「・・・これ、売れちゃうね。どうする?」
やたらとニヤニヤする翼社長に、気付かれてるのかと、少し憂鬱になったものの。
「タレントが売れるのはマネージャーの本望でしょう」
軽くいなした。帰ったら、また二人の時間が始まる。仕事では万人のアイドルでも、二人の時の笑顔は俺のもの。
「そりゃ、良い身分だね」
呆れて笑う翼社長を背に、岬に歩み寄ると、岬は他の誰にも見せない表情で迎えてくれた。


(おわり)


拍手ありがとうございます。


若林くんって、原作で岬くんにとても優しい笑顔です。そちらはちゃんとパロディにするとして、岬くんの笑顔独り占め若林くん♪を書きたかったのです。それよりは、岬くんが小悪魔な話に。あれれ?
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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