※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 うちは、全年齢対象ですので、期待はしないように。 3
「何ですか?これは」 翼社長からまわってきた書類片手に、噛み付く。 それは人気絶頂のアイドル、岬のヌード写真集の企画書だった。 「どうせなら、今が一番良いかな、と思って」 企画が実現したら、確かに話題作となるに違いないが。 「岬はまだ未成年ですよ!」 「別に過激なものじゃないよ。ソフトな女性向きだよ」 翼社長の言葉に、ひとまず渡された企画書を手に取る。ラフからすると、確かにその通りではあるのだが。安堵するには至らない。 「じゃあ、そのコンセプトで。ただし、状況次第ではストップかけますので、悪しからず」 噛み付かんばかりの勢いで言い切った上、くるりと怒らせた背中を向けた。雇い主に対する態度ではないが、こうでもしないと、あの社長は堪えない。
「岬、今度の写真集の話聞いたか?」 いつも以上のスピードで歩いただけのことはあり、社長室から岬のマンションまではすぐだった。 息を荒げ、語調も激しいせいか、岬は何度か瞬きをした。 「若林さん、落ち着いて」 置いたままだったペットボトルをあっという間に空にして、傍らの岬を見た。 相変わらず、そこにいるだけで宝石のようだと思う。艶やかな髪に、優しく甘い笑顔に、印象的な眼差し。惜し気もなくこんな笑顔を向けられて、耐えなければならないとは。 「聞いたけど・・・今までの雑誌グラビアと変わらないんだよね」 椅子からしなやかに伸ばされた足。シャツ越しにも分かる細い肩と、華奢な肢体。確かに、すべてを見たいというニーズは強いだろうが。 「・・お前が納得してるなら、構わないが」 嫌だという答えを期待しての質問に、岬は優しく微笑んでみせる。 「若林さんが良いと言ったのなら、大丈夫だよね?」 虚を衝かれた。俺のことを絶対的に信じていると言わんばかりの言葉に、ある意味感動する。 「そんなの分からないじゃないか。俺だって仕事なんだぞ」 心にもない反駁にも、返ってきたのは極上の笑顔だった。 「若林さんを信じてるから」 向けられた眼差しに、眩暈がする。本気だという力強さと、誘うような甘さ。 「俺だって男だぞ」 その視線に耐えられなくなった。言い返した瞬間、岬は俺の目の前に来る。 「でも、信じたいんだよ」 濡れたように潤んだ瞳。見るだけで切なくなる眼差し。身動きもできない俺に、岬は静かに言った。口調は穏やかでも、人の気を逸らさせない存在感がある。 「お前、どうして」 「知ってるくせに」 岬は、俺の首に腕をまわした。眼前にある顔を、見てしまう。 「岬」 岬の目が俺をとらえている。薄い茶色い目は、いつも以上に透き通って見える。まるで、俺の心すら見透かしてしまいそうな不思議な色だ。 きめの細かい肌。うっすら赤い頬。人に見せるのは、勿体ないと思う。
それくらいなら。
心の中で、悪魔が囁いた。
そのまま、岬の身体に腕をまわした。岬は俺を見つめて、嬉しそうに微笑む。それに誘われるように、気付いたら唇を合わせていた。 「・・んんっ」 甘い吐息に、もっと甘い唇を啄む。柔らかく暖かい唇の感触に、もっと欲しくなる。
キスから解放した岬は、目を潤ませて頬を上気させていた。いつもよりも更に色っぽい表情に、たまらなくなって強引に岬を抱き寄せた。 「僕のこと好き?」 「勿論」 俺の言葉に、腕の中の岬はそっと目を閉じた。そのまま身を委ねてくる岬に、気持ちが高まった。 「お前こそ、良いのか?」 「触れてもらえない方が寂しいよ」 「じゃあ、貰うぞ」
シャツの下の肌も真っ白だった。筋肉もあるものの、骨も細く、華奢な身体は、まさに少年のそれだった。あまり強く抱いたら、壊れてしまうのではないかと怖くなるほど、繊細な肢体だった。 「きれいだな」 お世辞ではない。白い肌は透き通るようで、触れるだけでも怖い。 この細い体には、高い商品価値がある。決して、その価値に目が眩んだのではない。 岬は見入る俺の腕を掴んだ。腕を絡めるように身を起こし、顔と顔が近づく。 もう一度だけキスをした。それが、紳士の時間の終わりだった。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 体調相変わらずです。今日も1日グダグダしていました。梅雨時は体調悪くなりやすいので、皆様お気を付け下さい。
以下、拍手お礼:
あまね様、いつもありがとうございます。 私は我慢する若林くんが結構好きなんです。あまり我慢しないことの方が多いですが・・・。いつもお気遣い頂いて、ありがとうございます。
まひまひ様、いつもありがとうございます。 翼くんの部下で我慢している若林くんって案外絵になりますよね。普段見なれないからでしょうか。いつもながら、お気遣いありがとうございます。
mint様、はじめまして。 身に余るお言葉、恐縮です。残念ながら、今はキリ番などしかリクエストは受け付けておりません。ただ、せっかく下さったので、そのうち使わせて頂きたいと思います。ありがとうございました。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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