※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 今日でおわり。続きは未定。 2 岬は若林のことが好き、は南葛プロではまことしとやかに語られる噂だった。岬が若林に向ける顔は、仕事の比ではなく可愛いと評判だ。 仕事だと天真爛漫な岬の瞳は、ものいいたげで印象的に見える。ふと見せる大人びた表情は、若林をも黙らせてしまう。 あんな可愛いものに迫られて、我慢し続けるのは人間業ではない、と言われながらも、若林の忍耐は続いていた。かく言う若林が、並の俳優では太刀打ち出来ないような男でなかったら、単なる痩せ我慢扱いを受けていたに違いない。
もし、岬が翼社長の知り合いでなければ、若林も少しは気が楽だったかも知れない。だが、残念なことに、岬を連れて来たのは翼であり、若林は翼社長がいささか苦手だった。 業界の麒麟児と言われ、卓抜した感性とカリスマ性を持つ翼社長であったが、若林からすると、子供がそのまま大人にようにしか思えなかった。 何しろ、この社長ごねるのである。 「若林くんは良いよね。岬くんと一緒にいられて~」 と言われても、岬のマネジメントを押し付けたのは、他ならぬ翼であるし、若林はそれまで、修哲トリオのマネジメントを担当していたのだ。 「若林さ-ん、森崎がまた道間違えて」 しょっちゅう掛かってくる電話に対応するのも楽ではない。
だが、若林はそれを直接翼社長に訴えたことはない。何だかんだ理屈をつけても、やはり岬は可愛い。
「若林さん」 横になっている岬の横で、若林は書類の整理を始めた。オファーの吟味をしていると、ふと岬が身を起こした。 「やっぱり、そっちに行っても良い?」 岬がアイドルという商品でなければ、とっくに手を出していた、と若林は思う。あんなに可愛くて魅力的な相手に愛されたことは若林にもない。だが、逆に、最初に会った時から可愛すぎて、アイドルなのだという事実を忘れることさえできない。 「良いぜ」 若林が少し空けたソファーの隙間に岬が入り込む。身のこなしがきれいで、若林は思わず目を奪われる。
絶対、自分のものにはならないもの。自分のものにしてはいけないもの。
それなのに、岬は潤んだような眼差しで、身を預けてくる。
どんな拷問だ、これは。
思いながらも、若林は書類の束をめくった。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 相変わらず体調が変です。この記事も間違えて消しましたし・・・。 更新控え目になるかも知れません。
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まひまひ様、いつもありがとうございます。 普段とは一味違う岬くんです。誰も勝てないでしょうね。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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