fc2ブログ
今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
空を仰いで(5)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
あくまでフィクションですので、くれぐれもご寛恕願います。



 俺の真摯な質問に、三杉は薄い唇の端を僅かに持ち上げた。
「怖かったよ。でも、彼女がいてくれるから戦えるのだと知ってからは、彼女の為に負けられなくなった」
一点を見据えたままの目は揺るぎなかった。

 岬が一緒に戦ってくれるのは分かっている。でも、その戦いに巻き込もうとは思わない。
 俺のことで苦しめたくはない。惨めな姿を見られたくはない。何より、岬の時間を夢を奪うこともしたくはない。
「友達か誰かが病気で悩んでいるのかい?・・・まさか、君だなんて言わないよね。そんなに色つやが良いのに」
三杉の言葉には、隠しきれない悪意がこもっているようだった。
「いや、俺のことだ」
それでも恥を忍んで打ち明ける。と、返って来たのは、とんでもない爆笑だった。
「はッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッはッ」
三杉こそ発作を起こすのではないかと思った。だが、ひとしきり笑った後、三杉はケロリとして言い放った。
「失礼。本当に君が?」
ジロジロと無遠慮に見回す視線に耐え兼ねて、真相を打ち明けても、三杉は半信半疑だった。
「それで、診断書とかはあるのかい?」
「いや、電話で聞いただけで・・・」
「じゃあ、どこの病院?」
三杉はさっさと携帯電話を取り出すと、病院に検査結果を送るように口添えしてくれた。俺から、FAXで送るよう指示して、5分後にFAXが着いた。
「若林くん」
FAXを見た三杉が振り返る。部屋の空気がひんやりとしたような気がした。
「これが君の診断結果だ。よく見たまえ」
どこにも、恐れた文字はなかった。だが、確かに・・・。
「多分、間違い電話だろうね。この病院で最近入力ミスがあったって聞いていたんだよ」
「でも、胸が痛いのは本当だ」
俺の言葉に、三杉は診断書をめくってみせた。
「白血球の増加からして、若林くんはおそらく骨折かヒビがあるんだと思うよ。肋骨だと気付かないことがあるからね」
そういえば、胸が痛くなったのは、バイエルンとの試合の時だったような・・・。腕や手に負担がかからないよう、胸でキャッチしていたな。


(つづく)


拍手ありがとうございます。
これはあくまでフィクションですので、真剣に取られないようお願いいたします。
スポンサーサイト



テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
→http://sukinamono11.blog63.fc2.com/tb.php/756-e9157f04
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)