※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 2
初めて会った頃から、岬はどこか寂しそうだった。いつ見ても、友達に囲まれているのに、目を凝らすと一人に見えた。それは俺も同じで、岬の笑顔がきれいなだけ、残酷なことに思えた。 よほど、寂しさに耐えて来たに違いない。きれいな顔で笑っているのを見ても、辛そうにしか見えなかった。
その頃から、好きだった。時々気を引くようなことを言う俺に、岬は困ったような、くすぐったいような顔をして見せた。その顔がまた何とも可愛かった。
再会したのは、中学生の時。自分から会いに来た岬に、俺の推測は間違っていなかったと思った。岬と俺は、まるでコインの裏表のように、分かりあえるのだと思った。
岬が寂しそうに微笑む度に、心が苦しくなった。もっと喜んでくれれば良いのに、と思って笑わせたら、もっと苦しくなった。岬の笑顔は、予想していた以上に可愛くて、一瞬で恋に落ちた。それまで恋だと思っていたのさえ、甘かったほど、恋は苦しかった。
それでも、岬と付き合い始めたら、すべて忘れた。岬はいつも可愛くて優しくて、岬といるほど幸せなことはなかった。
初めて、岬と結ばれた時のことは今でも克明に思い出せる。岬は少しだけ抵抗してから「いいよ」と小声で言った。頬を染め、こっちを見るのも恥ずかしそうな様子に、こっちまで落ち着かなくなる。意を決して、そっと髪に触れたら、岬は俺の腕に手を伸ばした。 「そっち寒いから、ね?」 その様子がまた可愛くて、優しくするのも無理だった。
翌朝、目を醒ました岬は、俺の顔を見る度に赤くなっていた。
いつまでも、岬といたかった。
岬と笑い合っていたかった。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 かなりドキドキしながら出したのですが、苦情が来なくて良かった・・・。
以下、拍手お礼: まひまひ様、いつもありがとうございます。 今回は本当に恐る恐るでしたので、コメント頂いて安心しました♪ 拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|