※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「岬の誕生日っていつ?」 若林くんは軽く尋ねる。でも・・・僕は自分の誕生日を言うのが好きじゃない。 「どうして、そんなこと聞くの?」 「岬のことは何でも知りたいから」 どうして、そういうことを平然と言っちゃえるんだろう?その方がよっぽど知りたい。 「笑わない?」 つい前置きをした僕に、若林くんは鷹揚に頷く。 「笑う訳ないだろ」 同じことを言って、小次郎はお腹を抱えて爆笑してくれた。 「・・・5月5日」 僕の名前で、こどもの日の生まれというのはインパクトがあるらしい。笑われた記憶も納得して頷かれた記憶も、どちらもあまり愉快じゃない。 「そうか」 若林くんは、ただ嬉しそうに笑顔を浮かべただけだった。 「笑わないの?」 「何で笑うんだ?岬が生まれた日だろ?」 逆に聞き返されて、言葉に詰まる。対する若林くんは、それこそもったいないような笑顔だ。 「覚えやすいから、助かるな。もう覚えたぞ」 嬉しそうに言い立てる若林くんに・・・恥ずかしくなった。 「若林くん、恥ずかしいよ」 「そうか?悪かったな」 若林くんは軽く頭を下げて、僕の目を見た。 「岬は自分の誕生日は嫌いか?」 「ううん」 目の奥までのぞき込まれる。若林くんの表情豊かな瞳に、僕もついつられてしまう。 「でも、黄金週間はたいてい移動だったから、普通の日だったら、って何度か思ったよ」 引っ越した町の空に、悠々と泳ぐ鯉のぼりを見るのは嫌いじゃない。僕の誕生日だと知らないみんなも、にこにこ過ごしてくれるのは、何だか嬉しい。・・・でも、友達に祝ってもらえる誕生日はどんなにすてきだろう。
「じゃあ、これから毎年俺が祝ってやる」 楽しいことを考えているかのような若林くんの笑顔に、僕まで嬉しくなる。 「今年はもう過ぎちゃったけどね」 カレンダーを見るまでもない。残念だけど、期待して裏切られるよりもマシだと、思った時だった。 「じゃあ、遅くなったけど、プレゼント買いに行こうぜ」 ぐいぐい引っ張る手に、勢いに負ける。いつもなら、無駄遣いはだめだ、と言うところだけれど。 「ちょうど、良い帽子があったんだ」 ううん、負けたんじゃない。つられたくなったんだ。この幸せな気分に。 「・・・若林くんったら、仕方がないね」 そのまま手をつないだ。振り返った若林くんは優しく笑っていてくれて、それだけで嬉しくなった。
(おわり)
拍手ありがとうございました。
大遅刻です。ぜんぜんネタが浮かばなかった上に、ぜんぜん時間もなかったのです。しかもPC動かないし(ノ_・。)
それはともかく、岬くん、遅ればせながら、お誕生日おめでとう。今年もよろしくお願いします。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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