※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 しばらくぶりに戻って来た日本で、俺は何度か同じポスターを目にした。岬のDVDレコーダーのポスターは、もちろん後で手に入れる気満々だが、近くに貼られていた、コーヒーのポスターのタレントが岬に少し似ているように見えて、気になった。 ふと、傍らの岬を眺める。岬の中性的な顔立ちは、確かにアイドルにいても不思議ではない。 「どうしたの?」 視線を感じて、岬が不思議そうに首を傾げた。たいていの男がすれば、違和感のある動作も、岬の場合、何ら違和感もない。 「ああ、あのポスターね。似てるって言われるよ」 岬はこっちが拍子抜けする程あっさりと認めた。ドイツ在住の俺は、日本のタレント事情には詳しくないが、あのコーヒー以外にもポスターが貼ってある辺り、人気があることが窺えた。 「まあ、岬の方がきれいだな。楚々としているし」 お世辞ではない。あくまでそう思っての発言だが、俺の言葉を聞くなり、岬は少し背伸びして、耳元で囁く。 「駄目だよ、そんなの言っちゃ。熱狂的ファンが多いらしいから」 咎めながらも、淡く頬を染めている様子に、思わずみとれた。 「だいたい、君幾つだよ。楚々として、なんてさ」 照れた、とは言わずに違う言葉を選び、恥ずかしそうに自分の視線に耐えている岬は本当に可愛い。肩を抱いて、近づけた岬の耳元に囁き返す。 「そそる、よりは良いだろ?」 「もう、何言って・・・」 怒って、突き放す振りをしているくせに、口調が冷たくなり切らないところも可愛い。 俺の主観でなくても、岬はきれいな顔をしている。細く長い指も、柔らかく風に揺らされる髪も、フィールドでの活躍が信じられないような華奢な背中も、とてもきれいだ。
こうして、一緒にいるだけで、心の中が暖かくなってくる気がする。こんな感覚は知らなかった。 「岬に似てるってだけで応援したくなるな」 何気なく呟いただけなのだが、岬はその途端に、頬杖をついて、あさっての方を向いてしまった。 「岬、どうしたんだ?」 まわりこんで、覗き込むと、岬は少しすねているように見えた。 「・・・いくら似ていても、何だか嫌だな、と思って」 岬が嫉妬するなんて、本当に珍しい。その顔を見られないように、そむけているのも可愛くて仕方ない。 「安心しろよ。俺は理想が高いからな。可愛くて、きれいで優しくて、頭が良くて、料理もうまくて、何よりサッカーがうまくないと嫌だ」 まくし立てる俺に、岬は優しく微笑んだ。その笑顔はやっぱり心に響いて、俺にとって岬は特別なんだと思った。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 岬くんみたいなアイドルっていそうだな、と思います。(そういうパラレルも書きたいのですけれど。ダメ?)
以下、拍手お礼:
まひまひ様、いつもありがとうございます。 私も二人が大好きです。書くのは速いらしいですが、どちらかというと、「常に妄想まみれ」が近いです。・・・それってどうなんでしょう?? 実際のところ、ネタのない時もあります。そういう時は人に頼ります。原作や昔の同人誌を読み返すだけでなく、他の方のつぶやき、拍手などからヒントを頂くことも多いです。ですので、頂く感想には助けられております。本当にありがとうございます。
キリ番前後賞のA様、はじめまして。急に振ってしまってすみません。どうぞゆっくりお考え下さい。(一応、現在の暫定意見も参考にさせていただきます)
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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