※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 若林くんと会うのは三年ぶり。身長は僕とそんなに変わらないのに、ずっと大きく見えるのも、精悍で男らしい顔立ちも相変わらずで、本当にうらやましい。
でも、もう一つ気づいたことがある。 「若林くんって、言葉きれいだね」 「そんなことはないぞ。岬の方がきれいだろ?」 若林くんは怪訝そうな顔をした後、わざとぶっきらぼうに言った。 「そういう意味じゃなくて。よく日本語忘れないなって思って。すごくちゃんとした言葉だよね」 僕はコレージュじゃなくて日本人学校だし、そこの友達はほとんど日本人だ。それでも、時々表現が出て来なくなったりする。 「まあな。日本からもちょくちょく電話が掛かって来るし」 そう話す若林くんの言葉には、流行語も乱れも見当たらない。言葉を探すような間も。 「それに、僕もフランスだから、流行語とかを使われると、すごく違和感があるんだよね」 日本を離れているからこそ、日本の良さが理解できる。本当の富士山を描く為に、他の山を知らなければ、と父さんは言う。 「何か分かる気がする。時々日本の飯が懐かしくなるもんな」 「何だよ、それ」 思えば、こんな遠い国で、若林くんと二人で笑い合うなんて、考えてもみなかった。 「俺も岬の言葉、好きだな」
あと、もう一つ気づいたこと。若林くんの言葉はとてもはっきりしているのに、ふと時々甘く感じられることがある。 僕の名前を呼ぶ時の、不思議な余韻もそうだけど、今もそうだった。 僕と同じようなことを繰り返してくれただけなのに、何故かものすごく甘く感じた。
どくん
心のどこかに矢が刺さった。胸がジンジンと痛くなる。なのに、うっとりと、何気ないはずの若林くんの言葉の、ほんの一部が耳に残る。 「あ、ありがとう」 ぎこちなくお礼を言ってから、若林くんを見ると、僕を見つめている視線。 「岬」 僕の好きな口調で、僕の名前が呼ばれる。 「好きだぜ」 若林くんの唇の、動きの一つ一つが目に焼き付くようだった。
知らなかった。たった一つの言葉が、こんなに心を捕らえてしまうことを。 息をするのも苦しい。痺れたままの心に同じ言葉ばかりが反復する。
だから、次の言葉は一つしか思いつかなかった。君が、くれた言葉。
「僕も好きだよ」
(おわり)
拍手ありがとうございます。 もうすぐGWですが、自分としては、岬くんの誕生日と認識。ネタ探しをしないと。
以下、拍手お礼:
まひまひ様、いつもありがとうございます。 (5)はいつもより可愛い岬くん、を目指したので、可愛いのお言葉に嬉しくなりました。 その方の曲は、以前から岬くんっぽいな、と思っていました。その曲も聞いてみますね。楽しみです♪
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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