※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「いつこっちに来るんだ?」 「そっちに合流するのは一週間前だけど・・・翼くんや小次郎も一緒だよ」 「あ」 ってどういう意味だよ。驚いたような声に、こっちの方が驚く。 僕は遊びに行く訳じゃないんだけど。 「そうだよな・・・あいつら、一緒なんだよな」 「うん。そっち行く前も合宿だから、自由きかないと思う」 「そうだな。じゃあ仕方ないよな」 珍しくあっさり引き下がる様子に、少しだけ拍子抜けした。君と僕がすれ違っているのは、今に始まったことではないけれど。 「終わったら、一日だけそっちに滞在するよ。良い?」 電話の向こう側で、若林くんが息をついたのが分かった。ため息ではなく、ほっと安堵したような吐息で、喜んでくれたのがすぐに分かった。たったそれだけのことなのに、僕も安心してしまうのは、どうしてだろう。 「じゃあ、約束したぞ。絶対キャンセルは認めないからな」 「うん、分かった」 そう念を押さなくても、キャンセルしたのって何回かだけなのに。そう思うのに、不思議に声は弾む。 「じゃあ、勝たないとな」 胸の高揚を後押しする力強い声。きっと勝てると思わせてくれるのに十分な声。ああ、若林くんだ。 心の中に、普段はひっそりと仕舞ってあるはずの僕の闘志に、火が灯る。 「本当に楽しみだよ。君とプレーするの」 心から思う。まだ先のことなのに、待ちきれない。 そんなにすごい人なのに、困ったことばかり言う辺りも若林くんなんだけど。 「俺も。早く、来いよ」 電話を通して、若林くんが近い。国を隔てているとは思えない程、息遣いまで聞こえる。だから、そっと囁かれて、跳び上がりそうになった。胸の奥にまで、響く声だった。 「うん。待ってて」 今すぐにでも行きたくなった。胸の中に残る余韻を抱きしめて、今日も良い夢が見られそうだと思った。
それこそ、君と一緒に戦う夢を。
(おわり)
拍手ありがとうございます。
ちょっと体調崩しておりまして、でも仕事休めず、毎日早寝していました。少しマシになったので復活。励ましって本当に効くのだな、と感動しました。(C様、返信は明日させて頂きます)
以下、拍手お礼: さくら様、いつもありがとうございます。 『偵察』のオチは再使用なのですが、あの二人の名前からして仕方がない気がします。そして、たいていのキャラより誕生日の早い岬くん。実はうち、年下攻なんですよ。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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