※三次創作です。女性向け表現を含みます。原作者及び作者さまには秘密、でお願いします。 翌朝、三杉参謀と待ち合わせていた松山は、ジョギングと称して若林屋敷を出た。 「ほら、この通りみんな連れてきてあるから、安心したまえ」 三杉参謀の車から出て来たのは、眠そうな顔をした日向、若島津、翼、そしてシュナイダーであった。どうやら愛犬アドルフとともに日向に会いに来たところを拉致されたらしい。 普段なら、この非人道的参謀に抗議、あるいは突っ込みを忘れない松山であるが、岬の身の上を心配するあまり、その心の鏡も曇っているらしい、その面子の抗議を無視すると、三杉参謀に駆け寄った。 「それで俺はどうすれば良いんだ?」 雨に濡れそぼった捨て犬のように頼りない眼差しを向ける松山に、三杉参謀の用意した回答はこうだった。 「安心したまえ、司令の帽子に発信器を取り付けてある。もし岬くんに危機が迫ったらミサイル攻撃したら良いと思わないかい?」 「そんなことしたら、岬まで吹っ飛ばされちまうだろうが!」 日向の的確なツッコミに、三杉参謀は不満げな顔を向ける。盟友若林司令に対しても、一切容赦のないクールな男、参ったといわせるまで謀る、それが三杉参謀である。 「とりあえず、何かあったら取り押さえられるように、交代で見張ろうぜ」 日向の言葉に松山も不承不承頷いた、のだが、翼にはイライラし通しである。そして、岬の行動にも。
若林司令と岬は、今朝日曜の朝のアニメも見ずに家を出ると、商店街に向かい、スポーツ洋品店、ブランドショップ、デパートと、明らかにショッピングを満喫している様子である。 「畜生、何やってやるんだ」 集音器を使っているのは若島津とシュナイダーなので、音声までは分からない。岬の手に取った商品が幾つかお買い上げになるのを見た松山は声に出してツッコんでしまった。 「おい、静かにしねえと気付かれちまうだろうがっ」 人並み外れた黒さで、物陰をうまく移動してきた日向に逆にツッコまれてしまい、松山は慌てて息を潜めた。 「うん、君達さすがのコンビネーションだね」 三杉参謀の言葉も甘受して、二人が息を潜める中、若林司令と岬はデパートを歩き続けている。 「おい若島津、音は録れたか?」 高速移動の日向に、若島津は黙って首を振る。 「いえ、どうもあの犬の声がうるさくて・・・」 若島津の言う通り、テープにはアドルフの解説(日向以外には鳴き声にしか聞こえない)が随分入っている。 「ところどころは聞こえるみたいだけどな」 同じくヘッドホンをしたシュナイダーが答える。そのところどころ、の為に日向はカセットレコーダーのボリュームを上げた。 「・・・おまえしかいない」 「ありがとうございます。他のみんなには申し訳ないけど、そう言ってもらえると嬉しいです」 「わ?」 耳を塞いで一斉に叫び声を上げた二人に、三杉参謀が口封じを行う。 「いい加減にしないと、発作が起こりそうになるよ」 この世で最も恐ろしい脅迫をさらりと口にして、三杉参謀は更に恐ろしい言葉を吐いた。 「ところで、あの二人、宝石売場に行ったんだけど」
(続く)
毎度ながら、中身がありません。参謀書くのが楽しいんですよ♪ あと、盟友って言葉大好きです。 何か男のロマンな香りがします。好物です。 黄金コンビ苦手目の私ですが、岬くんは翼くんの盟友、と聞くとうっかり萌えそうになります。 それでも三杉参謀にはミサイル攻撃してほしい。乙女心は複雑です。
from past log<2008.11.11>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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