※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 放置になっていた連載のつづきです。 (1)はこちら 俺が唇を寄せると、岬は目を閉じた。整った白い顔に、まつげの長さが引き立つ。いつまでも見飽きない顔を間近に見て、本当にきれいだと改めて実感する。
こんな岬が、俺に惚れてるなんてな。
考えただけで、背筋がゾクッとした。
岬には、俺など必要がないのだと思っていた。何度も好きだと言っても、岬は冗談扱いして取り合わない。 それでも、サッカーとなれば、人のことをいえないサッカー馬鹿の岬はすぐに飛んできた。それが嬉しくて、呼んだ試合で、怪我をした。 無様に倒れた俺に、岬はすぐに駆け付けてくれた。 これぐらい何ともない、と自分では分かっている。だが、監督は休めと言った。その横で岬が心配そうな顔で立っていた。
「休んでなきゃダメだよ」 医務室を出ようとした俺を、岬が追ってくる。自然に足は速まるが、岬はすすっと先回りしてみせた。さすがに、うまい。
「休まなきゃ。・・・君は嫌かも知れないけど」 岬が心配してくれるのは嬉しい。だが、行かないと。通せんぼした岬は俺を静かに見上げた。息を吸い込んで、透き通った声が言う。
「何でも言うことを聞くから」
最初は何を言われたのかわからなかった。思わず足を止めて、岬の顔をまじまじと見つめた。どうやら冗談ではないらしい。
無意識で息を飲み込む。真剣な眼差しで案じてくれる岬は、本当にきれいだったが・・・意味が分かって言っているのか? 「本気か?」 岬の頤を掴んで上を向かせた。岬が少し震えているのが伝わる。そして、岬の必死さも。
「うん、本気だよ」 岬の、強く握られた手が白くなっていた。頑として譲らない視線とは裏腹に、岬の手はシャツの胸元を握ったままだ。
「岬」 あれだけ散々振られた。それなのに、愛しくてたまらなかった。この三分間で、俺は岬の想いを実感した。
嬉しい。嬉しくてたまらない。
だが、今までずっと待たされた。すぐに据え膳に飛びつくのは、プライドが許さなかった。 それに、俺が岬の想いだと思っているのは、単なる勘違いかも知れない。岬は自分のこととなると鈍感なくせに、人の痛みにはやたらと敏感だ。俺が好きで、自分を差し出そうと言うのなら、本当に嬉しいのだが。
同情ではあって欲しくない。憐憫で自分を犠牲にされる位なら、憎まれる方が良い。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 ブログトラブル前の連載の続きです。 今朝もメンテナンスがあったので、必死でバックアップ取り…、気づいたらPCの前で眠り込んでいました。
以下、拍手お礼: まひまひ様、またコメントありがとうございます! 遠距離の切なさも、近距離の楽しさももっと描けると良いのですが。コメントの素敵な言い回しに、こちらこそうっとりしてしまいました。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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