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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
しょうがない二人
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「何で、お前じゃなきゃダメなんだろう?」
若林くんが、呟いた。
 そんなこと、僕が知るもんか。抱き枕にされたまま、僕は思う。
「またそんなこと言って。しょうがないね、君は」
マジメに取り合ったら、負けだ。

 若林くんは何でも持っている。才能もお金も人格も人望も。こんなに恵まれた人は見たことなかった。

 それなのに、若林くんは繰り返す。

「お前が好きだ」

 どうして、僕?

 若林くんが、生まれて初めて自分から欲しいと思い、膝をついたものだそうだ。僕は。

 僕は何も持っていない。人よりも少し器用で、人よりも少し人生経験は積んできたけれど、それだけだ。財産も、家柄どころか家もない。

 でも、若林くんは僕が欲しくなったんだと言う。

 幸せなふりをしていた君は、幸せなふりをする僕を見逃せなかった。きっと、ただそれだけだ。

 でも、幸せな子供達の中で、君と僕だけは大人で、その輪の中で浮かび上がっていた。同じように笑えない僕等は異端者で共犯者だった。

 だから、君は僕を見つけた。
 だから、僕は君を見つけた。

 こんなに世界は広いのに、僕達は出会えた。他にも笑い合う友達もいるのに、気がつくと君のことを考えている。

「お前しか、いないと思ったんだ」
若林くんは、寝返りを打った僕を抱きしめる。少し冷えた僕の体に熱が灯り、熱くさせられる。
 こんなにカッコイイのに。案外まつげが長いことにさえ、ドキドキしているのを、必死でばれないように、取り繕う。

 好きだと言うのには、まだ足りない。でも、何か言わずにはいられない。

「しょうがないな、若林くんは」
本当は嬉しくて仕方ないくせに。しょうがないのは僕。君の言葉に、一喜一憂の僕。
「しょうがないだろ、俺は?岬にしか面倒見られないんだ」
嘘ばっかり。でも、そのしょうがない嘘が可愛くて、自分から腕を伸ばした。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
こういう感じのしょうもないイチャイチャ結構好きなんです。ラブラブはもっと好物ですが、あまり上手く書けないのが悲しい。


以下、拍手お礼:

さくら様、いつもありがとうございます。
若島津くん喜んで頂けて嬉しいです。私は若島津くんともう一人書くの苦手で(好きですが)今回もかなり心配でしたので。パリのとらやすごい!また調べてみますね。
また怖い話もしましょう(笑)


拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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