※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 1
岬から合流することにした、と聞いて、慌てて頬の絆創膏を剥がす。このまま風に当てておけば、すぐに傷も塞がる。
味方にやられた。正確に言えば、敵のふりをしている仲間、にだ。
戦意鼓舞の為、仮想敵になって、味方を強くする。そう言った俺を岬は止めていた。 「どうして?若林くんが犠牲にならないといけないの?」 即席のチームワークで、体格差も大きく、技能も体力も劣る。その現実を岬も知ってはいる。 「僕は、誰かを犠牲にしてまで勝ちたいとは思わない」 岬はそう言うだろうと思っていた。
だが、もう計画は始まっていた。 俺は、既に孤立していて、そういうキーパーは恰好の的だ。ゴールよりもむしろ俺を狙っているようなボールを睨みつける。殆ど動かずにボールを取った時に、チャージを掛けられた。三杉はちゃんと見ていてくれたが、地面で少し擦った。
チームに合流した岬は、翼や俺とは違い、すぐに受け入れられた。練習にも訳無く溶け込み、翼との抜群のコンビネーションを見せている。 確かに、岬なら、俺とは違うやり方で、チームに現実を認識させることも出来るかも知れない。 久しぶりに見た岬は、遠目にも眩しい。
「若林くん、ちょっと良い?」 練習が終わって、岬は家に帰るらしい。ホテルから近いのと親父さんの世話があるので、しばらくの間協会に認めさせたらしい。 帰る前に、廊下で岬に会った。岬は独りで、すっと駆け寄って来て、俺を見上げた。 「何だ?」 今の俺は嫌われ者だ。お前とは違う。 そう思っていたのに、つい返事をしていた。 「ごめん、荷物持つの手伝って」 岬は何か言いたげな顔をしている。それを飲み込んで、人目を忍ぶように声を掛けて来る辺り、憎いくらいだ。 「・・ああ」 頷かざるを得なかった。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 ちょっと続きものを。
昨日のトラックバック不評みたいなので、妙な遊びは慎みます。
以下、拍手お礼: さくら様、いつもありがとうございます。 魔法、と言うのがお願い事になってしまうのは、自分の想像力のなさですね。 あとは、二人とも魔法を必要としていない、と思って書いているからでしょうね。夢はあくまで自分の力で、という独立心があるから、魔法という言葉に、誘惑を感じない。だから、すごく軽いことを願わせてみました。相手の健康、とかだと突き詰めてしまって大変そうなので。 オススメの作品、ちょっと怖いけど、探してみます。
拍手のみの方もありがとうございました。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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