※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 テレビは、合宿所の娯楽の一つだ。夕食後には、いつも人集りが出来ている。 今日は歌番組らしく、曲の合間に、いっそう歓声が上がる。 「この娘可愛いよな」 「このニーソが良いスよね。絶対領域ってヤツですか」
この時間はたいてい、自主トレという名の逢い引きになっている。だから、足早に遠ざかるのが常だが、聞き捨てならぬ言葉に、足を止めた。
絶対領域、それはドイツで俺の守るペナルティエリアを呼ぶ言葉だった。 ペナルティエリア外からのシュートは許さない。その信条を何より表す言葉だと思っていたのだが。
「絶対領域?」 グラウンドに着くと、岬は先に柔軟をしていた。隣で柔軟をしながら、経緯を話すと、岬はくすくす笑い始めた。 「ミニスカートとソックスの間をそう呼ぶらしいよ」 「そうなのか?」 「うん。絶対的に侵されざる聖なる領域、らしいよ。新田から聞いたんだけど、よく分からないや」 なるほど、定義は同じらしい。適用されるところは違うが。 岬は訝しげな口調で、ボールを手にした。そのまま足元に落とし、バウンドさせる。ボールは足元を転がり、磁石で吸い寄せられているかのように転がる。 相変わらず、見事なボールさばきである。跳ね上げられたボールは、岬の膝を経由して、更に上に上がる。
ミニスカートとソックスの間が絶対領域なら、ユニフォームとソックスの間は何と呼ぶのだろう。すらりとした岬の足は、その見かけとは違い、何者も寄せつけない。トレーニングパンツの裾からチラチラのぞく太ももは白くて、蠱惑的ではあるが。
岬には、不可侵の領域がある。守りの堅い身体にも増して、笑顔の盾を構えたままの心。少しずつ開かれてはいるものの、完全にすべてを預けてくれるのはいつだろう?
「岬」 考える内に、岬を抱きしめたくなった。背後から抱こうと、汗で張り付いたシャツに手を伸ばす。岬は素早く振り返り、行き場をなくしたボールが地面に落下する。 「っもう、駄目だよ」 「・・・」
言うのが遅いんじゃないか?
岬の足は、的確に俺の腹にヒットしていた。
・・・岬の絶対領域は相変わらず絶対不可侵らしかった。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 サッカー見ていて、これも絶対領域!と思ったので。 思えば、必死でサッカーを見ることは少ないです。Jリーグの贔屓チームがないからかな? 選手にハマった、という意味ではテニスで、ビデオ撮ったり雑誌買ったりしていました。 日本人選手だと、最近チェックしている選手はマラソン。 ・・・サッカー興味ないんか、と早田くんに怒られそうです。(そんなことはないんですが)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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