※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 合宿所のマガジンラックにあった雑誌を手に取る。何故こんな所に女性誌が?と思ったが、表紙には「イケメンJリーガー特集」という文字が踊っていた。 立ったまま、ページをくって中を見る。去年のアワードの写真が掲載されていて、それぞれキャプションがついている。三杉が知性派、松山が爽やか系。フムフム。 「岬って、癒し系Jリーガーって言われてるんだな」 言った瞬間、岬はすごい顔でこちらを見た。 「若林さん、それは禁句ですよ」 来生が言ったが、今更遅い。岬は冷ややかに柳眉を逆立てた。 「癒し系って何だろうね?」
滝が教えてくれたところによると、岬は男性誌でも同じように書かれたらしい。 岬は優しい。人当たりが良い。愛くるしい顔をしている。見る者が幸せになってしまうような笑顔の持ち主だ。
でも、それは岬の全部ではない。
あの大怪我から奇跡的に復帰した。堅実なテクニックと身体に似合わぬ強い心と高い志を抱く、岬はそんな選手だ。
「岬は癒し系って言うのとは違う気がするぞ」 俺の言葉に、大きく頷き、同意したのは松山だった。 「そうだよな。癒し系、じゃなくて 癒 し だよな」 松山、それは火に油を注ぐ、って言うんだ。 松山のフォローにならないフォローに、岬は機嫌を損ねて膨れている。 「岬は・・司令塔だからな」 さすがに付き合いを弁えているのか、井沢のフォローは的を射ていた。 「そうそう。岬は厳しいよな。大体、こんなことする奴が癒しかよ?」 石崎が、岬にそっぽ向かれた松山を囃し立てる。場の空気が和んだ隙に、岬はチラリと俺を見上げた。慌てて首を振る。
「癒しって何だよ」 練習の後に、シャワーを浴びて、散歩に出た。涼むのが目当ての彷徨だが、岬が隣を歩いているだけで、価値が違う。 まだ納得いかない様子の岬が何だか可愛くて、余計に楽しい。 岬は外に癒しを求めたりはしない。だから、自分が癒し系だと言われるのが理解できないのだと思う。 「それよりは、岬は心、のような気がするな」 「心?」 「ああ。チームを動かすもの、な」 チームを動かす気持ち。勝ちたいという意志が、情熱は、岬の小さな体から伝わってくる。その度に頑張ろうと思う。勝とうと思う。 「そうかな?」 岬が不思議そうに首を傾げる。そういう動作を見るだけで、癒される、というよりはたまらなくなる。触れたくなる。守りたくなる。 「そうだよ」 俺を動かすもの。俺の心を捉えたまま返さないもの。
本当は全部、だと思っていることは、言わずにおいた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。
岬くんはもちろん癒し系です!!
最初は若林くんのコレクションの話でした。収集がばれないように、大スポの早田くんの連載まで集めていたり、と恥ずかしい話だったのに。 でも、その類いのことはおそらくしているはずです(笑)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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