※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
「君ん家って何でもあるよね」 若林くん自身はびっくりするほど物に執着がないから、あまり物を増やさない。それでも、家の人達はこの末っ子が心配なのか、色々な物を送って来る。 ・・・きっと幾つになっても心配なんだろうと思う。若林くんは変に大人だから。それにしても、この量には呆れてしまう。 「家の連中が何やかやと送って来るしな」 「そうみたいだね」 崩れそうな予感に、慌ててクローゼットに駆け寄る。でも指一本分遅かったみたいで、目の前で荷物が崩れた。
送り返す荷物をまとめながら、目についた箱を若林くんに渡す。 「何だ?」 「ふふ。こっちがオセロで、こっちが百人一首」 片付いたら、やっても良いかも知れない。たまには、二人でするゲームも面白そうだ。
若林くんが選んだのはオセロだった。オセロなんて何年ぶりだろう? 「俺は強いからな」 「君、将棋の時もそう言ったよね」 前哨戦の舌戦は僕の勝ち。ブツブツ言う若林くんを急かして、石を等分する。
置かれて困るところに、罠を張る。回避される。罠に誘い込まれないように、熟考する。オセロは一手の読み間違いが命取りになる。 「オセロって、シェイクスピアの作品から名付けられたんだって」 「そうなのか?」 「うん。オセロってムーア人の将軍がいて、白人の奥さんと結婚するんだけど、その心が揺れ動く話なんだ」 話しながら、盤面を見下ろすと、黒と白の模様が横たわる。心の中に渦巻く嵐を形にしたら、きっとこんな姿になる。
君に惹かれて、素直になれなくて、少しずつ変わっていく僕の心。 一手も油断できなくて、一寸先も読めない。 盛大に考え事をしてしまった訳でもないけど、負けたのは僕だった。 「これで雪辱は果たした」 なんて、やっぱり君、根に持ってたんだね。 黒く染まった盤面に目を遣る。君に染まった、僕の心のようだと思う。
「じゃあ、何をしたら良い?」 試合の時のように一礼した後、敗者らしく申し出た僕を、若林くんはさっさと抱き上げる。 「とりあえず、くっつきたい。ボード挟んでたしな」 さっきまで真剣勝負をしていたのが嘘のように、心は揺らされる。 もう、戻らない位に、心は君の色。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 昨日と対です。最近、久しぶりにオセロをしたので。(将棋も百人一首も)結構疲れました。 以前将棋を書いた時に、サッカーとリンクさせましたが、オセロはそれよりは恋の攻防に似ていると思いました。表現できていませんが。
まだ昨日のサッカーのビデオ見ていません。睡魔に負けそうです。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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