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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
十年後(1)
※二次創作です。同人的表現含むやら含まないやら。

新連載です。よろしくお願いします。
「若林くん!」
授業が終わるのを待って走り寄って来た同級生に、若林源三は不審な目を向けた。相手の大空翼はサッカー部の仲間ではあるが、教室で駆け寄って来ることなどなかった。
「何だよ、翼」
不機嫌そうな若林に翼が近付く。
「今日日直で職員室に行ったら、二年に転校生が来たって聞いたんだよ」
「それがどうした?」
二年の転校生が一年の自分達とどう関係があるのか分からない。首を傾げる若林に、翼が声を潜める。
「その転校生、岬太郎くんっていうんだよ」
岬太郎?聞き覚えのある名前に若林も反応する。
「それって、俺達の・・・」
「そう、初恋の君」
若林の反応を愉しむように、翼は微笑んだ。
「それで、お前見たのか?」
若林の珍しい表情に、翼が面白そうな顔をする。
「若林くん、2?1に見に行く?」
翼に言われて、若林は首を振った。
 岬太郎、その名前は甘い感情を呼び覚ます。10年前にほんの一時出会った少年。手元にあるのはたった一枚の写真だけ。
 それでも、10年経っている。今では顔もはっきり覚えてはいないが、可愛かった印象だけが残っている。その美しい思い出をわざわざ汚すこともない。
「誰がわざわざ・・・」
言いかけた時、廊下がざわついた。
「見に行くまでもなかったね。ほら、あれ」
翼につられて、若林は廊下を見た。担任教師の後を歩く横顔は、薄暗い廊下でも分かる位色白で、そこだけ光が射しているように思えた。まるで、神聖なものでも見たような気がして、若林は唇を結ぶ。
「ね?」
「・・・ああ」
当事者にしか分からない会話を交わすと、翼は席に戻った。
 10年の月日を感じさせないインパクトは二人を初恋に引き戻すのには十分だった。

(つづく)

企画思いつかなかったので、高校生を書くことにしました。
ここのところ、小中学生だったので、もう少し青春してもらっても面白いかな、と。

from past log<2008.11.5>
以前に書いた「なんかつようちえんみかんぐみ」の続編で、10年後です。
南葛市に戻って来た一つ年上の岬くん、という設定。

いや、もう自分さえ楽しければ、それで。
企画はあるのですが、公開して恥ずかしくないかどうかは別問題なんです。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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