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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
鳥かご
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 紅白戦で先制したのは、旧南葛中心の赤チームだった。

 岬のコーナーキックからの攻撃は、南葛の必勝パターンだったらしい。井沢のヘッドで落としたボールに新田が走り込み、若島津の弾いたボールを来生が押し込んだ。

 俺は更に攻めても良いと合図を出したが、岬の作戦は違っていた。
 岬のパスを井沢が刻む。小刻みに動いた後、滝に渡した。滝はしばらくドリブルして、岬に渡す。

 一見して分かった。鳥かご、だった。

 さすがに、昔取ったきねづかと言うべきか、修哲にいた連中は鳥かごは抜群に上手い。そして、岬は言うまでもない。あの三杉に嫌な顔をさせただけでも、特筆すべきことである。
 白チームも何度か突破はしてきたが、俺がシュートを許すはずもない。

「鳥かご、嫌いじゃなかったか?」
休憩中に岬を掴まえると、岬は静かに首を振った。
「君みたいな敵ばかりじゃないからね」
岬の言わんとすることは分かる。鳥かごは珍しい戦術でもない。
 確かに、鳥かごはそう容易くはない。パターンが単純なら、簡単にボールを奪われるし、正確なコントロールを必要とする。追われる立場で過ごす時間は、追う立場のそれより、ひどく長い。それよりは、追加点を取りに行く方が、気持ちは楽かも知れない。
 それでも、そういう戦術をとるチームがないとは言えない。スタミナ不足のチームには有効な作戦ではある。
 好む好まざるを問わず、向き合わないではいられない。
 その仮装敵として、旧修哲を核とする旧南葛が適役なのは確かだった。紅白戦なら、とGOを出す辺り、練習としてはうまい調整だ。

「それに、僕らの上達も見て欲しかったんだよ」
岬の言う通り、いつ打ち合わせしたのかと思うくらい、見事な鳥かごだった。水ももらさぬチームワークで、昔を知っている俺でさえ、感嘆せずにはいられない。

 東邦と渡り合っていたチーム。南葛は名実ともに、お前のチームになっていたんだな。
「今度はちゃんと俺も誘えよ」
「うん」
心に過ぎったのは寂しさか、嫉妬だったのか。笑顔で頷く岬の肩を抱いて、感傷を吹き飛ばした。

(おわり)


拍手ありがとうございます。
家の人間が寝てから亜細亜杯見ました。PK本当にすごくて、実況しようかと思ったくらいでした。(電波がなくて良かった♪)でも、リアル鳥かごを見た衝撃の方が上回ってしまいました。

次はオーストラリア。この名前を聞くだけで胸が痛みます。でも、家の中では平常心。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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