※二次創作です。女性向け表現がありますので、苦手な方はご遠慮下さい。
最終回。 ほぼ三年。日数にして千夜。常に思い出していたわけではないが、時々夢に見る度に切なくて胸が痛んだ。 昨晩の夢で見た岬は、優しく微笑んでいて、笑みを誘われた。幸せであってほしいと願い続けた千夜と一夜。 目の前の岬は楽しそうに微笑んでいる。俺の告白を大きな瞳で聞いてくれている。ゆっくりと息を吐き出して、やっと言葉にできた。 「お前のことが好きだ」 岬はまっすぐに俺の目を見て、それからゆっくりと視線を落とした。 「ありがとう。僕もだよ」 小さく、消えそうな声で呟かれた後半。 「岬、今なんて・・・」 一瞬訳が分からなくなった俺が聞き返すと、岬は黙ったまま、ことんと身体を倒し、もたれてきた。岬の髪の感触が肩にあって。 俺は恐る恐る岬の肩を抱いた。細くて華奢な岬の身体はたやすく俺の腕におさまってしまう。 「もう離さないぞ」 冗談めかしたつもりだったが、本気だった。 「うん、良いよ」 岬が腕の中で微笑む。甘い声に理性がとろけた。 「岬、好きだ」 じっとしていられない。胸の中の何か、が爆発しないように俺は岬を抱きしめた。俺の家のシャンプーを使ったはずなのに、見知らぬ良い香りがした。 「僕も」 今度ははっきり聞こえた。背中にまわされた腕の温かさに、俺の気持ちは高まる。 「岬」 つい手を伸ばせば、すぐに触れられそうで。
重ねた唇は柔らかかった。
それから、あの夢は見ない。思い出す度に泣いていたという岬の三年間を思えば、心が痛まないわけではないが、あのことがなかったら、岬は会いに来てくれなかったかも知れない。それに。
「また、ね」 次の朝、見送った岬はあまりに幸せそうで、夢に見たいほどだった。
(おわり)
最近続きものを3作同時で書いていたのですが、さすがにどうかしてきたので、 全部終わらせることにしました。何だか、内容が平行してしまうのです。 意識するしないを別にして、これはさっき書いたぞ、とか。 あと一つ書いたら終わり。しばらく単発で動きます。 これももう少し色々書こうかと思ったのですが、エロも、ねえ。 よそ様のページでも意識すると恥ずかしくて書けないのに、 (意識しなければ書いているのですが) 自分のページだと余計に恥ずかしい。 慣れてきたら考えます。
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from past log<2008.11.3>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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