※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 ※今回はパラレルものです。
岬博士は若林研究所で働いています。今日は頼まれた薬をついに開発しました。 「・・・若林くん、これ何に使うんだろ?」 理論からすれば、うまく行ったはずですが、何だか不安が残ります。とはいえ、連日の疲れが出る前に、と岬博士は薬を冷蔵庫に入れてから、すぐに寝室に向かいました。
かちゃん、 突然の物音で岬博士は目を覚ましました。研究室の方だとすぐに向かい・・・ふと気付きました。テーブルの上に、ガラスのコップが置いてあります。 「あれ?」 寝ぼけたのかとも思いましたが、そんなはずはありません。いくら眠くても、片付けてからというのが岬博士です。 「あ、起きたか?」 背後からの声に、岬博士は安堵と共に振り返りました。研究所のスポンサーであり、岬博士の友人でもある若林氏がそこに立っていました。 「若林くん、いつ来たの?」 「ついさっき。起こしたみたいで悪かったな」 部屋着のまま来ちゃったから、と岬博士は顔を赤くしました。せめて、電話でもくれたらよかったのに、とも思いましたが、若林氏の気遣いを感じて、言うのはやめました。 「どうしたの、突然?」 「いや・・・あ、そうだ、冷蔵庫のお茶もらったからな」 若林氏は何か困った話題でも出たかのように、言葉を濁しましたが、岬博士は若林氏の話を聞いて、顔色を変えました。 「お茶?って、もしかして・・・」 冷蔵庫にお茶を入れた覚えはありません。この部屋にあるのは研究用の冷蔵庫だけです。ということは・・・。 「若林くん、体何ともない?」 急に詰め寄られて、若林氏は首を振りました。岬博士が目の色を変えて、揺すぶってくるなんて、初めてのことです。すぐ側にいるせいで、柔らかい髪が目の前で跳ねます。その度に甘い香りが漂うようで、たまりません。 「何で?」 何とか理性を立て直す若林氏を、岬博士は真剣な顔で見上げました。 「君が飲んだの、例のお薬なんだけど」 「え・・・?」 若林氏は大きく目を見開き、岬博士を見つめました。 「例の、って」 「君の注文した、 惚 れ 薬 !」 強調して叫んだ途端、岬博士の身体の自由は奪われてしまいました。 「道理で、ドキドキすると思った」 「ちょ・・ちょっ・・・と」 最初は触れるだけのキスだったのが、どんどん深くなって、岬博士は自分では立っていられなくなりそうです。その頼りない身体を抱き上げて、若林氏は離そうとはしません。 「岬」 「や・・いや・・・だ」 眼鏡が奪い取られ、テーブルに押し付けられた時、岬博士は必死で抗いました。 「こんなのは、いやだ!」 「岬?」 「そりゃ、僕だって君のことは嫌いじゃないけど・・・こんなのはいやだ」 友達で良いと思っていたのに、この研究所に呼んでもらえた時、どんなに嬉しかったか、岬博士は今でもありありと思い出すことが出来ます。だから、惚れ薬なんかで気持ちを決めて欲しくなかったのです。 「・・・冗談だよ」 目にいっぱい涙をためている岬博士を、テーブルに座らせて、若林氏は微笑みました。 「本当はお前に飲ませる気だったんだ。うっかり俺が飲んでしまったけどな。でも、お前のこと好きだから、全然効き目がないみたいだ」 潤んだ瞳に滲んだ涙を拭われ、髪を優しく撫でられながら、岬博士は遅い告白を聞きました。薬の効き目がなくて悔しいのに、胸の中には温かいものが広がっていくようでした。 「本当に?」 「本当。だから、許してくれよ」 悔しい、と岬博士は思いました。本当に悔しいはずなのに、あっさり許してしまえそうな自分が悔しい、そんな笑顔でつられてしまうのが悔しい。 「・・・しょうがないね。だから、さっき僕が言ったことは忘れてね」 「それは無理だ」 「あっ、もう・・・そんなところ触らないでよ」 「岬、何かさっきの薬効いてきた気が・・・」 「やめてったら・・・」 二人はそれから幸せに暮らしました。
(おわり)
昔書いた別作品のパロディを改作して使用しまいました。なのに、まったく違和感がありません。 他の改作モノも全然違和感ないし、昔から好きなカップル傾向が変わらない、ということなのでしょうか??
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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