※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「ちょっと待って、目に何か入ったみたい」 岬が目を押さえる。 「見てやるよ」 若林の手が岬の顔を持ち上げる。岬も痛む目を何とか見開くものの、強い日差しのせいでよく分からない。 「明るすぎるから、そっちの木の下行くぜ」 「うん・・・」
移動の甲斐あって、岬の目に入った睫毛はすぐに取れた。 「ありがとう」 木の幹で体を支えていた岬が身を起こす。異物のせいで潤んだ目で見上げられて、若林は目を逸らそうと上を見、それから岬の方に向きなおした。 「岬、あれ何か知ってる?」 「え?」 木漏れ日が眩しくて、岬がわずかに開けた目に飛び込んできたのは、若林の顔だった。岬が答えようと口を開いた隙に、唇が盗まれる。
「・・・もう」 木陰でも分かるほど、赤い頬をした岬が、若林を睨みつける。木に押し付けられた拍子に、髪に散った木の葉を払い、若林はその非難すら笑ってかわす。潤んだ目で、甘く濡れた唇で怒られても、可愛いとしか思えない。 「だって、上の方にヤドリギがついてるだろ」
ヤドリギの下ではキスがつきもの。岬だって、その風習は知らない訳ではない。 「そんなのどこにあるのさ」 他の葉もついている樹上にはヤドリギらしい塊もあるものの、すぐには判別がつかない。まだ赤い顔で不服を述べる岬だが、若林は余裕綽々の様子である。 「冬に見つけておいたんだぜ」 「本当?」 頭上を見上げると、また顔が近付く。それに気付いた岬が慌てて背伸びをやめる。若林はぎりぎりまで近付いたところで、顔を背けようとする岬の耳に唇を寄せた。 「じゃあ、クリスマスに確認に来いよ」 「それって・・・」 「もう一回キスしてやるから」 涼しい日陰にいるのに、その瞬間に胸が熱く燃え上がるようだった。岬は慌てて若林の腕から逃れ、それから、クリスマスに来てしまうのだろうと思った。
クリスマスにヤドリギの下でキスをすると、将来幸せになれると言う。
(おわり)
年末というと、クリスマス<忠臣蔵な私ですが、ネタは探します。 ・・・怪しいものですが。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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