久しぶりです。 何とか生きております。 ※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 ハロウィンなので、一応。 黒い布で作った衣装に、ホラー映画に登場するようなマスクを装着した。誰が見ても、僕だって気付かないだろう。鏡で確認しても、我ながら不気味だ。 ハロウィンって、もう少し牧歌的じゃないかな・・・とか思わないでもないけれど、ここまで気合を入れて紛争したのには理由があった。
ずっと前だけど、若林くんと映画を見に行ったことがあった。まだドイツ語がそこまで分からない頃だったけど、せっかくもらった券らしかったし、多分大丈夫だと言われてついて行って見れば・・・ホラー映画だった。 いわゆるB級ホラーという奴だったから、確かに言葉はいらなかった。ただ、その時にやたらとくっつかれたのが意外だった。 別に、またあんな風にくっついて欲しい訳じゃないけれど・・・、あの時、僕がびっくりした程度には驚かせたかったのかも知れない。 ちょうど、カルツに押し付けられるように渡されたパーティーグッズの仮面があったのも、その思いつきに拍車をかけた。少し手を入れて、不気味さの増した仮面をつけて、アパートの廊下で若林くんの帰りを待つことにした。
「うわぁ」 最初の一声を聞いた時、成功を確信した。暗闇から突然飛び出したとはいえ、若林くんともあろう人がそんなに驚いてくれるとは、嬉しい誤算だった。 でも、次の瞬間。 わあわあ言いながら、若林くんは僕を捕まえた。ぎゅっと強く掴まれて、動けない僕に、わあわあ喚きながら、若林くんはあちこちまさぐってきた。
・・・先に音を上げたのは僕の方だった。 「ちょっと、君わざとだろ!」 仮面を外して睨みつけると、若林くんはにやりと笑ってみせた。 「ばれたか」 ・・・ばれないと思ったんだろうか。あんなにやらしく触ってきたくせに。 「それで、お菓子が良いのか?それとも、イタズラしてくれんの?」 あまりのことに、「Trick or Treat?」なんて忘れてたよ、ばか。 お化けがイタズラされるなんて聞いたことないし。 「どっちもいらない!」 そっぽを向いた僕に、若林くんは殊勝にもお菓子を差し出してきた。 「これやるから、他の奴んとこには行くなよ」 「絶対、行かない!」 腹立ち紛れに大きな声を出した僕を、若林くんは今度は優しく抱き締めてきた。落ち着け、僕。 「俺はいつでも歓迎だから」 耳元に吹き込まれた、お菓子よりもずっと甘い囁きに、恥ずかしさが膨れ上がる。とても、敵いそうにない。もう二度とするもんか。心の中で誓って、僕のハロウィンのイタズラは終わった。
(おわり)
色々滞ったままですみません。 ネカフェに頼らなくて済むようになったら、全部片付けます。来月半ば予定。
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|