※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「これ、何?」 岬の声色に、若林はクローゼットに隠していたものが見つかったことを悟った。 「お前の代わり」 こういう場合、若林は悪びれずに答えることにしている。そして、正面突破は岬の苦手とするところ。 「・・・やめてよ」 ベッドに腰掛けた岬の手の中にあるのは、岬の所属チームで売り出した岬ぬいぐるみ、の10倍サイズ。 「わざわざ作ったの?」 呆れ顔の岬に、隣に座る若林は苦笑いで応える。 「淋しいから、な」 「淋しい?君が?」 岬と会うまで、若林は自分が淋しいと認めなかった。そんな強がりも若林らしいと岬は思っていたのだ。 「お前がいないからさ」 少し顔を歪めてみせた若林に、岬も苦笑いをする。 「よくそんなこと言うね」 言いながらも、若林が淋しいのは岬もよく分かっている。それでも、淋しさに負けないのが若林だとも思っている。ひいき目、欲目に過ぎないのかも知れないけれど。 「やっぱりお前といるのって良いな」 「ごまかさないでよ」 そのまま、ベッドに倒されて、岬は若林を見上げた。 「俺といたら、お前だって淋しくないだろ?」 まっすぐに見つめ、優しい笑顔を向ける若林に、岬もつられて笑う。他の誰かといても、こんなにゆっくりとした気持ちでいられない。若林はそういう意味で特別な存在だ。 「うん」 若林もそうなのかな、と岬は思った。自分がいて落ち着くと、安心できると思ってくれているのだろうか。他の誰も代わりになれないくらいに。
・・・ぬいぐるみを抱いて眠る若林など、想像できないけれど。
顔を近付けても、笑顔のまま見上げてくる岬が愛しく思えて、若林は優しく抱き締めた。それまで愛用していた岬抱き枕が見つからなかったことに安堵しながら。
(おわり)
拍手ありがとうございます。
何か結構長くなる気がしてきたので、一回おやすみしました。 思い付いて書いたのですが・・・若林くんの困ったくんぶりが私は割と好きです。(PC編集)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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