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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
お題:「嫌いなの?」
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

本日も xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら

 今年のバレンタインデーは例年とは気合いが違った。

 青葉弥生に、美子から聞かれたと嘘をついてまで仕入れた情報である。ホテルのパティシエの限定生産で、予約を入れてまで購入した一品だ。岬は味見したい衝動も抑えて、毎年期待している恋人に、プレゼントしたのだった。
「…岬がくれるなんてな」
「たまにはね」
今年は忙しくて、なかなか会えない。どうせなら、と凝りに凝ったチョコだった。
「どう?」
「…今まで食べたことない位うまい」
若林は嬉しそうに笑うと、包装を剥いた粒を指で摘んだ。近付けられた粒を、岬は口に入れる。舌に載せただけでふわふわととろける甘さに、思わず顔が綻んだ。
「…美味しい」
甘すぎもしない極上の甘さに、うっとりしてしまう。そんな岬に若林は優しく微笑む。
「もう一つどうぞ」
鼻先に、甘い香りが漂う。飲み込むのが惜しい味わいを堪能してから、岬は気付いた。
「若林くん」
せっかく用意した超高級チョコを、若林自身はあまり口にしていない。
「嫌いなの?」
確かに、高級品であっても、好き嫌いはある。それでも、若林が食欲がないなど、岬はこれまで見たことがなかった。
「いや、うまいけど、岬があんまり可愛い顔して食べるから」
まるで雛に餌を運ぶ親鳥のように、口に運べば、岬はうっとりとした表情で味わい、甘い吐息を漏らす。
「ごめん、取る気はなかったんだけど」
少し申し訳なさそうに言う岬の唇はすぐに塞がれた。甘い唇をいつもより入念に味わわれて、岬は頬を朱くする。
「本当に美味しかったぜ。もう一個食うか?」
「要らない」
肩で息をしながら、岬は若林を睨みつけた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
「オススメ」の続編のような話です。
もう少しでバレンタインなのを忘れるところでした。・・・土曜が忙しすぎたんだい!
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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