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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
見舞い
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「風邪、大丈夫か?」
「うん、そこまでじゃないよ」
否定するけれど、多分気付かれている。電話での声の少しの変化さえ、すぐに気付かれてしまう。そこまで気にかけてもらえるのは嬉しいことなんだけど・・・本当は気遣わせるのは不本意だったりする。
「まあ、岬のことだから大丈夫だと思うんだけど」
「うん、心配してくれるのは嬉しいけど、大丈夫だから」
電話を切って横になった。本当は話しているのも辛かったけど、心配させたくない。いつもは嬉しい電話さえ、辛く感じた。氷枕を乗せ直した時に、インターホンが鳴った。
「はい」
「よお、浦辺だけど」
浦辺くんの声と口調で、若林くんから連絡が行ったことを悟った。
「早く開けてくれよ。豆乳粥作ってきたから」
石崎くんじゃなくて、浦辺くんに連絡しちゃう辺りに、若林くんの配慮を感じる。慌ててドアを開けると、浦辺くんは心配そうに僕の様子をうかがった。
「大丈夫だよ。熱下がったし」
「・・・でもまだしんどいんだろ?」
かくして僕はベッドに戻され、浦辺くんお手製の豆乳粥を味わった。
「美味しい!浦辺くんスゴイね」
「まあ、たいしたことねえけどな」
さすがは南葛一美味しい豆腐屋の息子、と言いかけてやめた。跡を継ぐのを待ってもらって、浦辺くんはサッカーをやっているんだ。
「ちゃんと薬飲んで寝ろよ」
わざわざ来てくれたお礼より、寝ることが優先らしい。横になった僕に、浦辺くんは言った。
「・・・若林に感謝しとけよ」
「・・・うん」
若林くんはどんなことを言ったんだろう。それも気になるけど、でも他の人に頼んでまで、というのは今までの若林くんからは想像できなくて、咳のことも忘れて笑ってしまう。
 以前なら、同じようなことがあれば、若林くんは言ったに違いない。
「今どこだ??すぐ行く!」
とか
「だから言っただろ・・・一緒に暮らそうぜ」

 だからと言って、冷淡になったとか、気持ちが冷めたとかは思わない。僕の自主性もちゃんと分かって、認めてくれた上で配慮してくれているのだ。いつまでも、子供じゃないもの。
 
 だから、大丈夫。君の気持ちだけ受け取っておく。
 少しだけ、軽くなった体を伸ばし、薬のせいで眠いのを我慢して、ありがとう、とメールした。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
風邪の時に書きました。どの辺りがしんどかったのか、あまり説得力ないのですが・・・。(2/10PC編集)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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