※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 節分が終わると、暦の上では立春、春となる。だけど、2月はちょうど寒い時期で、歌にもある通り、春は名のみの…である。 寒さは緩む気配もない。背筋の痛くなるような寒さに、岬はマフラーを巻き直した。切手を貼ったばかりの手紙を投函しようとして、ポストのすぐ上の梅に気付く。
あの国も寒いけれど、この国も寒いけれど、立春を越えれば、少しずつ日は長くなり、寒さも緩む。近付きつつある春の声が届くように、桜を描いた便箋を使った。 「もうすぐ梅も綻びますよ」 局員さんが言った。
春が来るとお前に会いたくなる、と若林は言う。温かい空気に、お前を思い出すから、と笑っていた。
植物が芽吹き、花が咲き誇る季節に例えられるのは光栄なことだ、と岬は思う。そんな風に、時折何者も寄せ付けない程険しくなる心を慰めることが出来たら・・・。
春は未だ遠い。それでも、この春の足音だけでも届けられたら、と岬は舞い落ちた花びらを封筒に忍ばせた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 風邪、いよいよ悪化中。それなのに、すごく元気です。週末辺りが危ないかも・・・。(2/5PC編集)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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