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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
セーター
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「手編みのセーターかよ!!!」
石崎の言葉に合宿所が騒然となった。岬宛に送られて来た大きな荷物は、周囲に押し切られて、食堂で開封された。紅茶色の柔らかそうなセーターは周囲の羨望の的だ。
「ええなあ、目立つ奴は」
「早田だって、よく貰っているじゃないか。アニマルプリントの」
「天六やら本町で仕入れた奴を差し入れしてくれてるだけや。たまには手作りも欲しいわ」
アニマルプリント、と呼ぶには大胆すぎるトレーナーに、反町がぷっと吹き出す。猛獣さながら今にも噛み付きそうな早田。だが実際噛み付いた相手は、諌めようと割って入った三杉だった。
「やめたまえ、不毛な争いは」
「そうやんな?、ジブンはぎょおさん!もろてるもんな」
彼女付の分際で、ファンのプレゼントの山に埋もれている三杉に矛先が向かうのは、ある意味当然といえた。睨み合う二人をよそに、反町は岬の手元を見た。
「母さんからだよ」
「なーんだ」
岬の家の事情は古株なら皆知っている。そそくさとその場を離れた反町に代わり、セーターを覗き込んだのは若林だった。
「良いじゃないか。岬に似合いそうだな」
「送ってくれなくても、取りに行くのにね」
照れくさそうに、でも喜びを隠そうともしないで、岬が言う。
「早く着せたかったんだろ。寒くなったから」
共感しているかのような、若林の優しい口調に、訳もなく恥ずかしくなって、岬は顔を伏せる。
「・・・心配性なんだから」
それがどちらに向けた言葉なのかはともかく、呟く岬に、若林は隣の椅子に座った。
「もし、ファンからのだったらどうする?」
ふと気に掛かったことだった。先にやんややんや囃されたことで、贈り主の名が分からなかったらしく、岬は同封された手紙を見るまで不安げに見えた。母親からだと知って、安心したような。
「・・・困るかな。気持ちが篭り過ぎて、とても受け取れない」
人の思いを背負ってしまう岬らしい言葉に若林は微笑む。
「貰って良いんだぜ。お前にベストの状態でプレイしてほしいんだから。お袋さんと一緒だろ?」
「・・・うん」
気持ちは嬉しいけれど・・・ということもある。だが、若林の言葉はよく分かった。自分のプレイはそういうファンに支えられていることも。
「1番の岬ファンが言うんだから、間違いないぜ」
早田と三杉の睨み合いはまだ続いている。ギャラリーの注目がそちらにあるのを良いことに、若林は膝を詰める。
「そういえば、翼くんも1番のファンだって言ってたよ」
「なにィ!」
翼ならそれくらい言うに違いない。いきり立つ若林に、一矢報いた岬がくすっと笑った。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
PC開ける余裕もないまま、数日・・・忙しいです。元気ですが。

拍手お礼:
さくら様。いつもありがとうございます。
中学生らしい若林くんって、確かに自分でも新鮮でした。可愛い、と言って頂けて嬉しかったです。便箋・・・マシなものを選んでくれているよう祈りましょう。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。(1/21PC編集)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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