※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 今まで通りすがりに店に入ったことなどなかった。 だが、岬が帰ってしまったのは思っていた以上に堪えていたらしい。
「若林くんが隣の国で活躍しているかと思ったら、来たくなったんだよ」 何気ないことのように岬は言ったが、隣の国、といっても、その距離は近くない。だから、岬の言葉を聞いた瞬間、俺の胸は不思議に高鳴ったのだ。 そして、来た時と同じように呆気なく、岬は帰って行った。
岬が来た名残といえば、一緒に撮った写真だけ。無理を言って写した甲斐があって、微笑む岬は可愛い。小さく切り取られた風景の中、並ぶ俺達はとても仲の良い友達に見えた。
もっと仲良くなりたい。この、繋ぎたかった手を繋げる位。
今まで便箋など買ったことがなかった。俺はどうも横書きが苦手で、日本のものをそのまま使っていた。 だが、少しでも岬に似合うものを、喜ばれそうなものを。便箋を選ぶのは楽しかった。まるで、あいつの為に買い物をしているような気分で、薄い空色の便箋に文字を綴る。焼き増しした写真を入れる。また来てくれ、と書く手にさえ少し緊張が走る。
次はいつ会える?
結びの文をどうしようか迷う内に、思いついたのはそんな一文だった。 胸の中に、見知らぬ気持ちが、少しずつ溜まる。それが何と呼ぶべきものかは分からないが、一つだけ確かなことがある。
会いたい。
岬に送る初めての手紙なのに、堅苦しい文面になるのは心苦しい。それでも、これを読んだ岬がまた会いたいと思ってくれることを願ってペンを置いた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 そして、55,000Hitありがとうございます! まともにPCを開ける時間も余裕もないので、色々放置しっ放しですが・・・。(1/21PC編集)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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