fc2ブログ
今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
どうして欲しい?
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 眠れなくて、何度目かの寝返りを打つ。理由は分かっている。
 好きだという気持ちは僕も同じ。それでも、何かされるのは怖くて、触れようとする若林くんの手を拒んだ。
「お前がその気になるまで、待つから」
その言葉にいつまで甘えていられるんだろう?僕がグズグズしている間に、誰かに取られてしまうかも知れないのに。
 もう一度寝返りを打った。

 夢の中だとすぐに分かった。
 僕は、僕の姿を横から見ている。夢の中の僕は、彼と抱き合っていた。彼に手を伸ばされるままに抱かれ、幸せそうに微笑む僕に、違う、と否定したかった。
 僕は彼を好きだけど、それ以上は望んでいない。ただ、一緒にいたいだけだ。それだって、ベタベタしたい訳ではない。人間として好きなだけで、それ以上触れ合おうなんて思わない。
 信じられないでいる僕の目の前で、僕は若林くんに笑いかけると、手を伸ばして彼の顔に触れた。頬や首に手が触れる度に、若林くんは気持ち良さそうな顔をする。
「岬、お前の手って柔らかくて、気持ちが良いな」
若林くんはうっとりと言い、僕の指先を自分の唇に滑らせた。
「若林くんは、僕のことが欲しいの?」
その指を、今度は自分の唇に当て、うっとりと吸ってみせた僕に、若林くんは優しく微笑む。
「欲しい」
若林くんは目の前の僕ではなく、こっちを見ると、ゆっくり手を差し出した。
「岬、お前はどうして欲しい?」
その顔に、胸が疼いた。切れ長の目に見つめられて、目が離せない。
 僕は、何も望んではいない。逞しい腕に抱かれることも、優しく口付けられることも、一つになることも、何も望んだりはしなかった。
「若林くん」
でも、声が震える。まるで、渇いているかのように、喉が枯れている。
「正直に言えよ」
抱き寄せられても、抗いはしなかった。しがみつく僕を、若林くんは強く抱きしめた。
「お前は俺のことが好きなんだ。認めろよ」

 そこで目が覚めた。若林くんに包まれた感触は、まだ残っている。
 目が覚めなければ、きっと僕は、若林くんに縋り付いただろう。触れ合った肌は熱くて、ひとりでは冷ませそうにない位。

 どうしよう、好きなんだ。胸に押し寄せた実感に、僕はケットを被る。恥ずかしくて、でも胸に迫る切なさは打ち消せず、僕はもう一度寝返りを打った。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
恐ろしいことに、以前、この話を書いている夢を見て、目が覚めました。少しは書き直しましたけど・・・源岬のことを考え過ぎです。来年はちょっと自重しないと。
今年一年お世話になりました。(4ヶ月くらいさぼっておりましたが)
毎日見に来て下さった方々、拍手で応援下さった方々、メッセージを下さった方々、そして、リンクしてくださった管理人様方、本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
よいお年を。

管理人:真
スポンサーサイト



テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
→http://sukinamono11.blog63.fc2.com/tb.php/542-522529c9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)