※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 眠れなくて、何度目かの寝返りを打つ。理由は分かっている。 好きだという気持ちは僕も同じ。それでも、何かされるのは怖くて、触れようとする若林くんの手を拒んだ。 「お前がその気になるまで、待つから」 その言葉にいつまで甘えていられるんだろう?僕がグズグズしている間に、誰かに取られてしまうかも知れないのに。 もう一度寝返りを打った。
夢の中だとすぐに分かった。 僕は、僕の姿を横から見ている。夢の中の僕は、彼と抱き合っていた。彼に手を伸ばされるままに抱かれ、幸せそうに微笑む僕に、違う、と否定したかった。 僕は彼を好きだけど、それ以上は望んでいない。ただ、一緒にいたいだけだ。それだって、ベタベタしたい訳ではない。人間として好きなだけで、それ以上触れ合おうなんて思わない。 信じられないでいる僕の目の前で、僕は若林くんに笑いかけると、手を伸ばして彼の顔に触れた。頬や首に手が触れる度に、若林くんは気持ち良さそうな顔をする。 「岬、お前の手って柔らかくて、気持ちが良いな」 若林くんはうっとりと言い、僕の指先を自分の唇に滑らせた。 「若林くんは、僕のことが欲しいの?」 その指を、今度は自分の唇に当て、うっとりと吸ってみせた僕に、若林くんは優しく微笑む。 「欲しい」 若林くんは目の前の僕ではなく、こっちを見ると、ゆっくり手を差し出した。 「岬、お前はどうして欲しい?」 その顔に、胸が疼いた。切れ長の目に見つめられて、目が離せない。 僕は、何も望んではいない。逞しい腕に抱かれることも、優しく口付けられることも、一つになることも、何も望んだりはしなかった。 「若林くん」 でも、声が震える。まるで、渇いているかのように、喉が枯れている。 「正直に言えよ」 抱き寄せられても、抗いはしなかった。しがみつく僕を、若林くんは強く抱きしめた。 「お前は俺のことが好きなんだ。認めろよ」
そこで目が覚めた。若林くんに包まれた感触は、まだ残っている。 目が覚めなければ、きっと僕は、若林くんに縋り付いただろう。触れ合った肌は熱くて、ひとりでは冷ませそうにない位。
どうしよう、好きなんだ。胸に押し寄せた実感に、僕はケットを被る。恥ずかしくて、でも胸に迫る切なさは打ち消せず、僕はもう一度寝返りを打った。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 恐ろしいことに、以前、この話を書いている夢を見て、目が覚めました。少しは書き直しましたけど・・・源岬のことを考え過ぎです。来年はちょっと自重しないと。 今年一年お世話になりました。(4ヶ月くらいさぼっておりましたが) 毎日見に来て下さった方々、拍手で応援下さった方々、メッセージを下さった方々、そして、リンクしてくださった管理人様方、本当にありがとうございました。 来年もよろしくお願いいたします。 よいお年を。
管理人:真
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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