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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
約束(下)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 若林くんの家は、前に来た時と変わっていなかった。ただ、居間に飾られた写真の中に二人で撮った写真が増えていて、ドキッとした。
「これはお茶。それで、こっちはみんなからのお土産。それから・・・」
「岬」
お土産を机の上に並べた時に、名前を呼ばれて振り返った。若林くんは静かにこちらを見ていた。
「会いたかった」
熱っぽく言われて、目がそらせなくなった。若林くんは見上げる僕の手を掴んだ。
「若林くん・・・」
逃げることはできないと分かっていた。こうなることは。でも、うやむやのままにしておくことは出来なかった。若林くんは大事な友達で、チームメイトで・・・。若林くんの求めている気持ちではないかも知れないけれど、好きだし、失いたくないと思う。
 たぶん初めて、ここへ来た時からそうだった。うまく言葉にはできない気持ちに突き動かされて、僕はこの知らない国にまで足を運んだ。
「一つ、聞いても良い?」
「ん?」
若林くんでも緊張することがあるんだ、と空気の緩む感覚に思った。同時に自分も少なからず緊張していたことに気付いて、僕はソファーに座った。
「もし、僕が友達でいたいって言ったら、どうする?」
若林くんも張り詰めた空気に気付いたのか、ソファーに腰掛けた。自分の家とはいえ、ソファーに座り慣れている動作で、何気に投げ出された足も、自然だった。ただ、僕に向けられる視線は熱くて、目をそらすことを許してはくれない。
「どうもしない。岬がそうしたいなら、それで良い」
「本当に?」
「ああ。本当は告白する気もなかったんだ。しばらく会えないと思ったら、我慢できなかった」
抱き締められた時のことを考えたら、顔から火が出そうになる。あまり強く抱き締められて、苦しい筈なのに、胸の中からの炎に押しつぶされそうだった。
「ねえ、若林くん。僕は君のこと好きだよ。でも、君の言うような気持ちじゃないと思う。友達でいられたら、ってずるいことを考えてる。それでも良いの?」
自分で嘘をついているのは分かっていた。僕は、若林くんが好きだ。多分、若林くんが僕のことを好きだと思っているよりもずっと。でも、人の気持ちは変わるものだ。いつか終わりが来るくらいなら、始まらない方が、今のままバランスを保っている方が、ずっと良いと思った。
「悪いが、それ位で諦める気はないぞ。お前の側にいられるなら、友達だって良いさ」
笑ってみせる若林くんに、とても敵わないと思わずにはいられなかった。

 君の気持ちが簡単に変わるなんて、思っていない。けれど。

 僕は本当に怖いんだ。こんな気持ちは生まれて初めてで、どうしたら良いのか分からない。

「じゃあ、よろしくね」
平然を装って、僕は微笑みかけた。若林くんは笑いながら僕の手を取り、そっと口付けた。
「俺の我慢強さを甘く見るなよ」

 試合は、ハンブルクペースで進んだ。若林くんは前半を守り切った後、交代になった。PKにまでもつれ込んだ為、GKを二人使い、正GKを温存、後半から投入したハンブルクが試合を制した。若林くんの今日のプレーからすると、正GKの座も遠くないと思われた。
「おめでとう」
スタジアムを出る前に、一言だけ声をかけた。チームの打ち上げがあるから、と鍵は預かっていたし、昨日のことで顔を合わせにくかったから、ちょうど良かった。若林くんは誇らしげに笑い、僕を見た。
「惚れたか?」
・・・きっと、僕の壁なんかすぐに打ち破られてしまうに違いない。それこそ、レギュラーよりもずっと早く。
「まさか」
怖い筈なのに、その未来がどこか待ち遠しくてならなかった。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
今日も時間がないので、携帯から。
・・・もっと試合をがっつり書くつもりが!!!
思ったようにならないのは恋愛もSSも同じ!(と、うまいこと言ったつもりになってみました)

拍手お礼:
川澄ちょこ様、お忙しい中、ありがとうございます。
いや、うちは更新が簡単なブログですので・・・相変わらず質より量ですし。
でも、拍手のお礼文、ラブ度が高いと言っていただけて、嬉しいです。
・・・うちではあれが限度なんですけれど・・・。
こちらこそ、更新を楽しみにさせて頂きますね。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。(12/26PC編集)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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