※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「今大丈夫か?」 「うん。どうしたの?」 若林くんは時々、こうして突然電話してくる。一応、時差だけは気遣ってくれるけど、いつも本当に突然なんだ。 「何となく声聞きたくなって」 ドイツと日本の通話はそんなに安くない。声が聞きたくなった、程度で電話してしまうレベルじゃない。もしかして、何かあったのかな、と思う。声に少し元気がないもの。 でも、若林くんが話してくれるまで、僕が聞くことじゃない。若林くんはそういうことを見抜かれるのはあまり好きではなさそうだ。 「良いけど、たいした話は出来ないよ」 「今何してた?」 「宿題」 リーダーの翻訳の予習中。進むのが早い上、よく当てられるので、切実だ。 「へえ、高校でも宿題あるのかよ」 「宿題というより、予習だけど」 大変ぶりを一くさり話してみせた。若林くんは大変だな、と笑ってくれた。 「そう、大変だよ。クラブで疲れてるのに・・・」 石崎くんなんか、あまりの疲れで、授業中熟睡している位。今日はそれで、鼻をすすってた。 「こっちは寒くなったよ。そっちはもっと寒いんじゃない?」 ハンブルクは寒い。俺は寒さに強い方だから、と笑って、若林くんは僕を包んでくれる。だから、その寒さは少し嬉しいものでもある。 「ああ。寒いよ。でも、心配ない」 力強くなった声に、気が晴れたのかな、と思う。そうであって欲しい。遠く遠く離れていて、何もしてあげられないけど、そう思った。 「そう?じゃあ安心だね」 「ああ、お前に電話して良かった」 そう聞いたら、僕も嬉しいよ。君の声を聞くだけで、こんなに元気になるなんて、我ながらゲンキンだと思うけど。 「じゃあ、元気でね」 笑顔で電話を切った。僕には何もできないけれど、君が元気であることを、いつも心から祈ってる。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 事情で、実家に帰っています。ネット環境がないので、携帯から更新です。メール返信は遅れます。すみません。
拍手お礼: さくら様、いつもありがとうございます。 アイディア勝手に使わせて頂いて、すみません。あまり可愛くならなくて、失礼しました。
拍手のみの方もありがとうございました。励みになります。(12/22PCで修正)
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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