※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 久しぶりに若林くんの家を訪れた。若林くんの誕生日は12月。インターハイを1月に控えていた高校時代はもちろん、色々な事情で当日にまともに祝えたことがない。だから、今回は先にぬいぐるみを送りつけた。 「ありがとうな、嬉しかったぜ」 それなのに、リボンをかけられ、目立つところに鎮座しているぬいぐるみを見た時、何だか複雑な気分になった。若林くんは慣れた仕草で、うさぎのぬいぐるみに、キスを落とす。 「ただいま、みさき」 自分の贈ったぬいぐるみに自分の名前がつけられ、可愛がられていることが嬉しくないはずはない。それなのに、何だか素直に喜べなくて、若林くんを見た。 「いつも、そうやってるの?」 「ああ。目が岬に似てて可愛いだろ?」 両手を広げたぬいぐるみは、まるで抱擁を待っているかのように見える。僕は、あまり感情を露わにするのが得意ではないけれど。 「寝る時も、抱いて寝てるぜ」 若林くんは屈託なく笑う。背が高くて、逞しくて、男の理想みたいな若林くんがピンクのうさぎのぬいぐるみを抱いて寝ているのは、想像しただけで笑みを誘われる。でも、そんな可愛い光景を想像しながら、何だか落ち着かない。 「でも、今日は一人で寝てもらうぜ」 若林くんは人形用のベッドにぬいぐるみを寝かしつけると、僕の肩に手をまわした。僕が返事もできない内に、軽々と抱き上げてしまう。 「だって、今日は本物が来ているんだからな」 強引なのに、優しい腕に包まれて、心に温かいものが満ちていく。君が触れるもの全て、僕の代理すら羨ましくなってしまうほど、僕は君が好きです。 「若林くん」 目が合った。与えられたキスは、うさぎの岬に対してよりも、深くて執拗で、甘いものだった。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 「飾っておきたい」で若林くんがうさぎのぬいぐるみと寝ていたら可愛い、という意見を頂いたので、書いてみました。若林くんって、ぬいぐるみの岬くんも溺愛しそうだな、と思います。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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