※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
以前書いた「招待状」の続き、っぽい話です。 「岬、こっちに来い」 招待を受けて、若林宅に行った。入った途端、岬は若林に手を引っ張られた。 「どうしたの、若林くん?」 もしかして、待っていてくれたんだろうか?迎えに来たにしても早過ぎる。岬が訝しむ中、若林は玄関を摺り抜け、応接間に向かう。
「岬、足痛いんだろ?」 応接間に着くなり尋ねられて、岬は息を飲んだ。確かに少しは痛むけれど、たいしたことはない。昨日話した時も気付かれたように思わなかったのに。 「湿布してやるから、足出せよ」 「・・・良いよ、大丈夫だから」 「怪我されたら困る」 岬は断ったものの、若林の説得力と迫力に負け、ソファーに座らされた。たちまち靴下を脱がされてしまう。 「まだ腫れてる」 近くで見る岬の足は、若林が思っていたよりも白かった。足首も掴めるほど細くて、真っ白で、どこにあんな力があるのかと不思議に思う。普段は無駄がなく、きれいに動く岬だから、少し足を庇うそぶりを見せたのが気にかかった。 「無理するなよ」 岬の足はすべすべしていて、若林は気持ちが顔に出ないよう努めながら、湿布を貼った。 「どうして、分かったの?」 岬の口調は心外そうだ。まさか誰かに気付かれるとは、岬も思っていなかった。 「・・・無理に笑うよな。それくらいすぐに分かる」 無理をしているつもりなどなかった。周囲に心配をかけないよう振る舞うのは、岬にとって当たり前のことだ。それを見抜かれているとは思わなかった。まして、そう親しい訳でもない若林に。 「・・・若林くんこそ」 ただ、岬にも気になることがあった。若林こそ、周囲に気をつけているように思えた。常に自分は強くて万能で・・・周囲から寄せられる信頼からだろうが、強くなければならないと思い込んでいるかのように。 確かに、若林が弱音を吐いたりしたら、彼を慕う友人達は途方に暮れるかも知れない。だから、岬も若林の笑顔にも騙されている振りをした。 「・・・どういう意味だ?」 「君こそ、無理することないのに」 同級生達を支える柱のように、若林は肩を聳やかす。カリスマはあるのだろうが、期待に堪え、保つ忍耐の方に、岬は感嘆する。 「・・・お前に言われるとは思わなかった」 「それはこっちの台詞」 転校のことも、石崎の自殺点がなければ言わずにいたのかも知れない。何でもないように笑っていただろう。 だが、そうやって微笑んでいる岬自身は、きっとその下に色々な感情を隠しているに違いない、と若林は思う。・・・きっと自分位しか分からないだろうが。今こちらを見下ろす岬は、笑ってはいないものの、気遣わしげな表情をしている。真剣な眼差しは、いつもよりも岬を大人に見せる。 「終わったぜ」 「ありがとう。ごめんね」 差し出された手を借りて、岬は立ち上がった。手を掴んだまま、若林をじっと見つめる。 「若林くん、そういえば、さっき門のところで、待っててくれたんだね」 もう忘れていたことを不意打ちされて、若林はかっと頭に血を上らせる。だが、こちらを見上げる岬はいかにも楽しそうに笑っていて、若林はそれだけで良いような気がした。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 年相応イメージがない二人。だから、お互いに気がついて見つけちゃったら良いな、と。
妹が「よそのサイトを見ていたら、クリスマスで大変そうだったよ。・・・もしかして、そっちも?」 と聞いてきた。 「はい、大変です。まだ何も書けていません(泣)でも、年末年始も更新する」 と答えたら、呆れられました。困った姉でごめんね。
クレスリウム王国さまの新作で、先日の「覚悟しろよ」のシチュを使って頂いたそうです。 甘くてステキなお話に、メロメロになってしまいました。「嫁になってくれ」祭のようで、嬉しいです♪
拍手お礼: さくら様、各記事にコメントありがとうございました。 数日目を離すと、結構大変なブログなのに・・・お忙しいところをすみません。 アズマさまの若林くんはかっこいいですよね!それは確かにステキです。 実は年下攻なんですよ。そうは見えませんが。ちょっと萌えますよね。 辛くない腕枕、腕を枕と肩の間にうまく入れるのがコツです。 高めの枕で横向きに寝てもらうと、長時間の腕枕が可能らしいです。 さすがに、朝まで、はムリかも知れませんが。 手加減、はお友達のお誕生日祝いということで、ちょっとアダルト(笑)気味なんですよ。 といっても、私の書く程度ではとてもとても。 嫁入り、は実現可能、と思うととても面白いです。 「さしすせそ」は昔の源岬の同人誌で読んでいたような、結婚生活なのですが・・・ さくら様の予想を裏切ることが出来て、何だか嬉しかったです。 後はメールにて。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|