※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「そうか、君と半年同い年なんだよね」 さも愉快そうに岬は言う。電話の向こうだが、笑っている顔が目に見えるようだ。岬が5月生まれ、俺が12月生まれ。半年くらい年下だから、同い年でいられるのは半年くらい。 俺達はとても同い年に見えない、とみんなが言う。ガキの頃から大きかった俺と、小柄で可愛い顔をしていた岬と。それでいて、どことなく大人びていた岬が、年のことに妙にこだわるのは面白かった。 「じゃあ、もう甘やかしてもらえないな」 「別に甘やかしてないよ」 岬は不服そうだ。だが、冗談っぽく言いはしたが、俺は岬が甘やかしてくれている、と思っている。 恥ずかしがりの岬は、好きだとはなかなか言ってくれない。それでも、ふとした時に、岬の暖かさや優しさを感じることがある。人一倍意地っ張りな俺の強がりを見抜いて、何気ない様子で側にいてくれたりするのだ。もっとも、そういう時の俺は剣呑らしくて、誰も近寄りたがらないから近くに居るだけだよ、なんて言うに違いないが。 「この前も会いに来てくれただろ?」 たまたま、リーグ戦で早々に敗退したから、と岬は言っていたが、こちらも変わらずに連敗の込んでいた俺としては、良い気分転換になった。 「それは・・・」 岬は口ごもってから、ややあって口を開く。 「僕が会いたかったんだよ。落ち込んでいたのは僕も一緒だから」 語るに落ちる、とはこのこと。落ち込んでいる、と思っていたのがよく分かる。でも、岬らしいと思う。 「これから半年は同い年だからな。遠慮なく甘えに来い」 一緒にいて、心の緊張を解いてくれるだけでも、幸せだと思う。俺にとってお前がそういう存在であるように、お前にとっての俺がそうであることを願う。 「・・・同い年になったと思ったら、生意気だね」 顔は見えないのに、岬が微笑んでいる気がした。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 お誕生日話、書きかけで放置していたのを発見してしまった・・・。 1年放置したら更に忘れそうなので、UPしておきます。 今日は更新するのがもったいないのですが・・・。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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