※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「嫁に来てくれ」 俺の言葉に、岬は目を見開いて、立ちすくんでいる。無理もない。今まで付き合ってきたとはいえ、男同士だから、そんなことを言われるとは思ってもいなかったに違いない。 「若林くん、何言って…」 聞き返す岬の動揺ぶりは、いつもの岬らしくなくて、何だか可愛らしく思えた。 「嫁に来てくれ、と言ったんだ」 岬の腕を掴み、引き寄せた。背は低くはないが、ほっそりした肩の岬は、俺の腕に簡単におさまる。 「あの…僕、男だよ」 「分かってる」 もう何度も抱いた。抱かれるようには出来ていない身体を、大切に慈しみ、愛した。 「僕だって、段々男らしくなっているし、ゴツゴツしてる」 「そんなの気にする訳ないだろ?」 そんな風にも思えない。成長してもなお、岬の容姿は繊細さを留め、きらめく瞳の輝きは変わらない。 「気にするよ」 「じゃあ、お前はどうして俺を選んだ?」 「それは・・・」 「答えろよ、岬」 口ごもる岬の肩を掴む。容姿で人を好きになる訳じゃない。性別で人を愛する訳ではない。その相手が好きで、一緒にいることは自然な欲求だ。 「それに、こっちの国なら問題ないだろ」 日本でなければ。俺に言われるまでもなく、フランスという第二の故郷を持つ岬も知っていることだった。 同性愛のカップルでも、結婚同様にパートナーにある程度の権利を付託出来る法律が、ヨーロッパにはある。 「お家の方は良いの?…スキャンダルになるよ」 岬は俺の家を気遣う。岬にとって、親父さんはとても大事な存在だからだ。 「そっちは何とかなる。実際に籍を入れるのは後で良いから、今の内に予約だけでもさせてくれ」 岬も俺も違う国で現役でプレ?している。いつまで続けられるか分からないが、おそらく同じ国でプレ?することはこの先もないだろう。 離れているのが不安な訳でも、心配なのでもない。ただ、いざという時が来ても、俺は待っていると伝えたかった。何年ごしになっても、お前という運命の相手は一人しかいないから。 「…ちゃんと約束しないとダメかな?」 「約束したら、岬は絶対守るだろ?待ってるぜ」
少し考えてから、岬はようやく折れた。指と指を絡めて、約束をする。 「ゆーびきーりげんまんうそついたら、迎えに行ってやるからな、待ってろ」 「何それ…」 「逃がさないってこと」 岬が約束してくれたら、それだけで良かった。 「覚悟しろよ」 「うん」 頷いた岬をもう一度腕の中に封じ込めた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 冒頭の若林くんの台詞が書きたくて、ついふらふらと書いてしまいました。 内容の割りに、何だか甘さが足りないのはどうしてなんでしょうか・・・。
お礼文付拍手、携帯で見る場合は、携帯変換のページが出るのでURL下の「GO」ボタンで閲覧できます。 こんなに面倒なら、通常更新にしたら良かったかも。次回から考えます。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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